(『シャープHP』より。)
●2013年、4Kテレビはどこまで浸透するのか ー サーチナ(1月3日)
地デジ化にともなう買い替えや家電エコポイント制度などの追い風が止み、一転して大苦戦を強いられている家電業界。国内出荷台数も前年同月比数十%減と壊滅的な状況だ。期待された3Dテレビも思うように普及せず、もはや4Kこそが最後の頼みの綱……となっている。
しかし、本記事は4Kテレビの普及にはやや懐疑的なスタンスを取る。その理由について「コンテンツが圧倒的に少なすぎる」「消費者が本当にそれ(引用者注:高画質)を求めているのかは疑問だ」ということ。確かに4Kの映像コンテンツはほとんどなく、その実力を発揮する機会がない。また、そもそもバラエティ番組やテレビドラマなどに、視聴者はそこまでの高画質を求めているのだろうか?
「日本メーカーの製品が世界の消費者のニーズからどんどん乖離してしまうのではないかという懸念も拭えない」と疑問を呈する。
その代わり本記事では、4Kよりもソーシャルテレビの普及に活路を見出している。消費者が求めているのは、テレビの画質改善ではなくコンテンツの新しい楽しみ方であるという視点は確かにその通り。しかし、昨今の売り上げ低迷による凋落にともなって、ますます硬直化する日本の家電メーカーから「新しい楽しみ方」が生まれるような雰囲気は感じられない。
●東芝・テレビ担当者が語る「4K」と「クラウド」 ー AV Watch(1月11日)
東芝デジタルプロダクツ&サービス社の深串方彦社長自ら「1インチ1万円を目指す」という4K低価格宣言を発表した。2013年は、クラウドテレビとともに、4Kテレビを戦略の軸に位置づけており、58型・65型でプロダクトの投入を予定している。
“次世代テレビ”として期待されている4K。しかし、同社のテレビ担当者からは「4Kについては『次世代テレビ』、と言う誤解されたイメージがあって、そこは解きほぐさないといけない」と驚きの発言が飛び出している。
というのも、これまでのフルハイビジョン画質では、55型以上の大画面テレビになると画質の粗さが目立ってしまっていた。この問題を解消するために東芝では4Kテレビに進出。4Kテレビならば現在放送されているフルハイビジョン映像でも、隅々まで美しい映像が楽しめるというわけだ。
逆に言えば、55型以下のテレビを所有している一般人には、4Kテレビは縁のない存在ということか。
●262 万円テレビ『ICC PURIOS』の高画質を実現した特徴や技術とは ー 週アスPLUS(12月16日)
経営危機のただ中にあるシャープが12月に発表した4Kテレビ『ICC PURIOS』(アイシーシー・ピュリオス)。この機種のお値段はなんと262万円!
他者の4Kを上回り、シャープでは奥行きのある画質を実現。さらに均一性の高いパネルでなめらかな映像を実現と、その価格に引けをとらないハイスペックなプロダクトとなっている。一般の家電量販店では販売せず、高級AV専門店などでのデモ機の陳列を予定している。一般家庭向けではなく、あくまでもこだわりを持ったコアユーザーのためのフラッグシップモデルという側面を強く打ち出した販売戦略だ。どことなく、前掲の「日本メーカーの製品が世界の消費者のニーズからどんどん乖離してしまうのではないかという懸念」を、体現しているような気がしなくもない。