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公募増資で起死回生を狙う

難題山積でいばらの道、"奇策"に打って出たマツダ

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「マツダHP」より
 3月にマツダが実施した公募増資が波紋を拡げている。同社が公募増資に踏み切るのは2009年11月以来。いうまでもないが、公募増資による新株発行によりマツダの発行株式総数が増えるため、一株あたりが保有する権利内容が小さくなる。つまり、議決権の希薄化を招き、既存の株主にはダメージを与える。たびたびの"奇策"とも言える資本増強に、とりわけ前回の増資に応じた株主からの怒りは大きい。今回の動きは何を意味するのだろうか――。

 新株の発行は、最大で発行済み株式総数の68.5%に上り、3月中に1440億円を市場から調達する。同時に、メーンバンクの三井住友銀行など6行から700億円の劣後ローンを借り入れて資本を増強する。

 マツダは11年4~12月決算で、上場自動車メーカー10社中、唯一、営業損失を計上した。1128億円と多額の当期損失で格下げの懸念が高まるなか、資本増強を迫られていた。格下げになると不利な取引条件を強いられ、経営状態の悪化に拍車がかかる。かつて提携関係にあった米フォードが経営危機に陥りマツダの株式を手放してきたことで、安定株主不在の状況がつづいてきたことも大きく影響している。

公募増資が、海外を中心に3倍強の応募が集まる人気

 今回の公募増資については、発行数が膨大なだけに、果たしてどこまでさばけるのかという懸念の声も上がっていたが、フタを開けてみると海外を中心に人気を集め、募集に対して3倍強の応募が集まったという。

「当社の構造改革を高く評価していただいたということではないか」

 マツダの山内孝社長は3月15日、東京都内で記者団に公募増資について聞かれ、そう評価した。

 マツダは増資の発表前から、投資家の理解を得るための施策を次々と打ち出していた。大幅な赤字への転落を発表した2月2日の決算会見では、赤字の原因となってきた高い国内生産比率を、今後は下げていく――などを盛り込んだ構造改革プランも発表した。2月16日には、総力を挙げて開発してきた次世代エンジンなどの環境技術を搭載したSUV(スポーツ多目的車)を発表した。増資の発表時には、調達した資金を海外展開や次世代環境車の増産に投じるとコメント。要は「多額のカネを集めるにも、それなりの理由がある」と説明し、一応の理解を得たというわけだ。