NEW
20年間もお墨付きを与えていた!?

悪徳AIJを野放しにしていた金融庁の"隠された"罪

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

AIJの浅川社長は元野村証券営業マン。
(「ウィキペディア」より)
 74法人もの年金基金をシロアリのように食い荒らしたAIJ問題で、「投資顧問会社」という存在に対する世間の関心が高まっている。AIJに限らず、一部の投資顧問会社は、金融関係者の間で「予想屋」あるいは「口利き屋」と呼ばれ、かねてから「アブナイ業者」といわれてきた。

 そもそも、この投資顧問会社とはなんなのだろうか?

 一般的には、金融商品取引法に基づき財務省に登録された金融商品取引業者のうち、投資運用と投資助言を行っている会社を指す。具体的には、企業や個人などの投資家と投資一任契約や資産運用委託契約を結び、有価証券、デリバティブ取引、ファンドなどへの投資、または運用を行っている。そして、投資家とこれらの契約を結ぶ際に取り決めた会費や成功報酬で、投資顧問会社は食べている。

 2月末現在、322社の投資顧問会社が財務省に登録しており、同省から「○○財務局長(金商)第×××号」という鑑札(登録番号)をもらっている。同省に投資運用業の登録を受理してもらうためには「資本金5000万円以上、純資産額も5000万円以上の法人」で、「経営者がリスク管理に十分な知識・経験を有していること」など、きめ細かい要件をクリアしなければならない。ところが、この「登録要件規定」が曲者で、金融業界関係者・A氏は「これは単なる書類審査と変わらない。だから完璧な書類さえ出せば誰でも問題なく受理され、鑑札がもらえる」という。

 さらに、投資運用業には外部監査が義務付けられておらず、営業開始後の行政監査もなおざりだ。これが投資顧問会社の不正横行の要因になっている。例えば、投資顧問会社は金融庁に毎年事業報告書を提出しなければならないが、AIJ投資顧問の虚偽報告書も、1989年の設立以降、毎年金融庁の報告書チェックを難なくすり抜けていた事実が、これを如実に示している。前出のA氏は、「投資顧問会社は経営者のやりたい放題の商売」とまでいう。

 投資顧問会社の出自は銀行系、証券系、生・損保系、総合商社系、独立系とさまざまだが、社内に専門の資金運用チームを持っている会社はごくわずか。大半が親会社や提携先への丸投げが実態だとの見方が強い。別の金融業界関係者・B氏は「自前で持っているのは営業チームだけの会社が多い。だから予想屋とか口利き屋と呼ばれる」と話す。

誇大な営業トークこそ命

 金融業界では「どんな凄腕のトレーダーでも、金融取引で儲けが出る確率=勝率はせいぜい40%」(B氏)が常識とされている。それを知ってか知らずか、「勝率100%」とか「利回り200%」など、冷静に考えれば絶対あり得ない営業トークも平気でまかり通っているのが、投資顧問会社の体質でもある。

 昔から証券営業マンの誇大トークは有名だったが、投資顧問会社の「予想屋トークで被害が顕著になってきたのは07年以降」(A氏)といわれている。この年、金融商品取引法が改正され、金融市場活性化を目的に投資運用業が許可制から登録制に規制緩和され、新規参入に拍車がかかったことが背景にある。