4月5日、ツイッター社が悪質なスパマー5人(2人の個人と3つの団体)をサンフランシスコの連邦裁判所に訴えた。裁判沙汰になるくらい、ツイッターを狙ったスパムが拡大し、悪質化しているということなのだろう。
スパムと言えば、従来は電子メールとして送られてくる「迷惑メール」が主流だった。勝手にスパムを送りつけて、アダルトサイトに誘導したりする。悪質なスパムの場合、架空請求詐欺などの金銭詐取を試みるものもある。また、ブログのコメント欄などを狙うスパム(迷惑コメント)も多かった。
近年、ツイッターが急速に普及するにつれて、スパムも舞台をツイッターに移してきた。その際、スパムを送りつけるために「フォロー返し」が悪用されている。フォロー返しとは、ツイッターで自分のアカウントがフォローされた時に、フォローしてくれた人のアカウントをこちらからもフォローすることだ。「せっかくフォローしてくれたのだから」と、礼儀的にフォロー返しをする人も少なくない。
スパマーは、不特定多数のアカウントをひたすらフォローして回る。そのうちの何割かはフォロー返しをしてくれると期待しての行動である。そうやってフォロー返しを多数獲得したスパマーは、普通にツイートするだけで難なくスパムを送りつけることができるというわけだ。
迷惑ツイートという形ではなく、ツイッターのダイレクトメッセージ機能を悪用する場合もある。たとえば、次のような手口のフィッシング詐欺(IDやパスワードなどの個人情報を、偽のウェブサイトなどを通して騙し取る行為)が見つかっている。
まず、犯人は事前に不正入手したIDやパスワードを使い、ツイッターにログインする。そのアカウントの人物になりすまして、ダイレクトメッセージを送る。被害者がダイレクトメッセージに記載されたURLをクリックすると、ツイッターの偽のウェブサイトに飛ばされる。そこで被害者が「あれ、ツイッターの画面だけど、ログアウトしてる。いつの間にかログアウトしちゃったのかな」と思い、再度ログインしようとすると、IDとパスワードが盗み取られてしまうという仕掛けだ。