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幸運を呼ぶミラクルコンサルタント・田中雅子「ゼロからのリーダー学」第2回

まずはやめなさい!そして、ゼロから作り直すのがリーダーの役目

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田中雅子氏
元外資系部長、ユニクロ元マネージャーであり、現在『とくダネ!』(フジテレビ系)コメンテーターとしてもお馴染みの田中雅子氏。長年現場のマネジメントにたずさわり、数々の全社プロジェクトを成功させ、企業成長を支えてきた田中氏が、ビジネスパーソンが自らをリーダーに成長するためにやるべきことを指南する。

 ある業務を行う人特有のやり方が、知らず知らずのうちに、その業務のスタンダードなやり方になってしまうことがあります。「仕事は人につく」といいますが、業務の標準化・平準化・効率化という視点からみると、クエスション?がつくことが多いのです。

 特に急成長している会社では、仕事量が増えていく一方で、それをこなす社員数は限られているので、業務量だけがドカドカと増えていってしまう。そうすると、すべてを"やっつけ"でこなしていかざるを得なくなってしまうわけです。

 私の経験では、一気に売り上げが伸びた一時期、社員数はそれまでと同じのままで、業務量が劇的に増えていました。その結果、社員はベストな方法かどうかを検討する暇もなく、膨大な業務を力技でとにかく終えるというような状況が続いていました。

 大企業が、なんと手書き伝票とハンコによる経理処理を日々行っていたのです。今では考えられないことですね。ハンコを押していたら、それで一日が終わってしまう感覚ですね。なにせ売り上げ高も大きな規模ですから、経理部の机の上に積まれる伝票の量も、半端ではありませんでした。

 入社時のミッションは、シンプルに「すべてを変えてください」ということのみ。とにかく手書き伝票とハンコも含めて、すべて変えなければならないのです。そこで、業務の標準化・平準化・効率化を目的とするプロジェクトを立ち上げました。

 こうした取り組みの中で、全国の店舗から毎日送られてくる「売り上げ金差異のメール報告」をなくした事例をご紹介しましょう。

 システム上の売り上げ金と、実際の現金が合わないと、毎日経理部にメールで報告をしていました。100万円売り上げがあっても、99万9999円しか現金がなかったとすると、1円合わないわけですね。その1円の差を毎日、全国の店長がメール報告するというのがマニュアル化されていました。そうすると毎日全国の店舗からこのメールが来る。朝メーラーを開くと、常に膨大なメールが届いていたのです。それも経理部メンバーだけではなく、営業部や関係部署、役員にまで同報されていました。

 ある日その役員から、「田中さん、あれはどうにかならないのかな?」という相談を受けました。売り上げ金差異を把握するというのは、店舗管理上とても重要なことなのですが、毎日何百件ものメールを見る側も大変です。しかしもっと大変なのは、その差異を毎日メールから1件ずつすべてエクセルに転記して、エクセルのデータを会計システムにインターフェースするという作業でした。その作業を、"超絶"事務処理能力を有するたった1人の女性経理部メンバーが行っていました。つまり彼女が風邪をひいて休んでしまったら、途端に会社の経理業務に破綻を来すような状況だったのです。