まずはやめなさい!そして、ゼロから作り直すのがリーダーの役目
そのような職人技に支えられた経理部に、店舗の店長経験者が配属されてきました。当然ですが、店舗のオペレーションにはすごく詳しいわけです。それで彼女に話を聞いてみると「売り上げ金差異の報告メールは、送る側の店舗も大変。もっと簡単にできるやり方があったら、すごく業務が楽になります。でもマニュアルで決められているから、仕方なくメールで送っていました」とのこと。
ほぼコストゼロでできちゃった!
であれば、みんなが楽になる方法を検討してみようと考えた私は、システム部の部長に相談したのです。
「お金(予算)がないのですけど、どうにかなりませんか……」(田中)
「店舗周りのシステムに詳しいメンバーに話をしておくから、彼にちょっと相談してみて」(同部長)
そこで、前出の元店長、経理部で店舗サポートを長年仕切っているメンバー、そしてそのシステム部員の3人でミーティングを始めたのです。そうしたら、既存の社内ポータルサイトを利用すれば、意外と簡単に、ほとんどお金をかけないでできるということが、わかったのです。
このことで私は、
「業務改善とは、皆が大変だ、面倒だ、どうにかしたいと思っていることを”まずはやめる”、そして”ゼロから作り直すこと”だ」
ということを学びました。実は毎日ルーティーン業務をやっている人たちというのは、
「これでいいのかな」
「このままだったら、いつかはパンクするかも」
「この仕事は、自分がいなくなったらどうなるのかな」
などと思いながら、とりあえずやらなくてはいけないから、”やっつけ”で片付けていることが多いのです。
そこで、やめられる業務を見つけてあげるのが、リーダーの役割なのです。
「これって、そもそもやる必要性あるのか?」
という視点をもってチームの業務全体を見渡すことが、とても大切なのです。