価格は18万4800円から。
(「Apple Japan HP」より)
2010年にRetinaディスプレイのiPhone 4が登場した時は、その美しさに度肝を抜かれました。Retinaとは、網膜という意味。3.5インチのディスプレイに960×640ドットという解像度を詰め込み、ピクセルを視認できないほど細かいのが特徴です。今年3月には第3世代のiPadがRetinaに対応しました。やはり大きな画面で高精細なグラフィックスを閲覧できるのは、感動ものです。そして、6月、ノートパソコンのMacBook ProにRetinaディスプレイモデルが登場しました。
PC画面を超越
15.4型液晶ディスプレイがRetinaに対応し、解像度はなんと2880×1800ドット。これまでのノートPCの常識を覆す高解像度です。フルハイビジョンの1920×1080ドットと比べると、約2.5倍となります。写真を表示してみると、あまりの高精細さに驚くことでしょう。ドットが見えないので、PCの画面というよりも、写真もしくは本物のように見えるのです。ディスプレイはIPS方式に対応し、視野角が広いので複数の友達とのぞき込んで使っても、みんなが綺麗に閲覧できます。
(「Apple Japan HP」より)
新設計されたボディは大画面ノートながら、厚さ1.8cmとスリム。光学ドライブを搭載せず、重量は2.02kgと軽いのも特徴です。光学ドライブがありませんが、OSやアプリケーションはインターネットからダウンロードできるので、不便は感じないでしょう。どうしてもCD/DVDを利用する際は、手近のPCに搭載されている光学ドライブを利用する「リモートディスク」という機能があります。Windows用のアプリケーションもあります。ただし、著作権保護技術がかけられている映画やゲームのディスクは利用できません。もし、美しいRetinaディスプレイでBDビデオを鑑賞したい場合は、USB接続のBDドライブが必要になります。
Appleならではのアルミ削り出しボディは、剛性感・高級感ともにたっぷりです。ディスプレイが非常に薄いのですが、心配なし。これまでのディスプレイはガラス面の後ろに配置されていましたが、本機ではディスプレイ自体がガラスになっています。そのため、従来のガラス面が不要になり、軽量化と薄型化を実現できました。さらに、蛍光灯などの映り込みも大幅に減り、視認性が向上しています。
ヘビーなアプリもストレスなし
パフォーマンスも群を抜いています。CPUはインテルCore i7 2.3GHzもしくは2.6GHzを採用、メモリーは標準で8GBも搭載しています。ストレージにはSSDを採用しており、HDD搭載PCと比べると段違いのパフォーマンスを発揮してくれます。ヘビーなアプリケーションや大きなデータを開く際も、ストレスを感じません。Retinaディスプレイの広大なデスクトップを描画するためのグラフィックス機能も強化されています。
例えば、ビデオ編集を行う場合、非圧縮のビデオを4本同時に再生しながら作業できます。フルHDの1080p ProResなら9本の動画を再生し、シームレスに切り替えながら作品作りに集中できるのです。これは、強力なCPUとグラフィックパワーのおかげです。動画再生エリアがフルHDと同じ、1920×1080ドットというのもRetinaディスプレイならではです。従来のプレビュー画面と異なり、フルHDの動画をそのまま見ながら、編集作業ができます。
充実したインターフェース
インターフェースも充実しており、拡張性が高いのも頼もしいところです。高速通信が可能なUSB3.0端子やリビングの大画面テレビに出力できるHDMI端子を搭載。SDXCカードスロットを備え、デジカメ画像の取り込みも簡単です。Appleならではの超高速通信規格「Thunderbolt」に対応するポートも2つあり、外付けディスプレイをつないでマルチディスプレイ環境を構築できます。
Apple製品のデザインが秀逸なのは繰り返すまでもないですが、やっぱり「MacBook Pro Retinaディスプレイモデル」も美しい外観に仕上がっています。こんなに格好いいなら見せびらかしたくなるもの。そのため、とは言いませんが、大画面ノートなのにバッテリー駆動時間は最大7時間。社内・家庭内モバイルはもちろん、本体が入るバッグがあれば持ち出すことも可能です。人に見せるときはRetinaディスプレイモデルの説明は不要。デスクトップ画面を見せれば、一発で注目の的です。
気になるお値段は、2.3GHz CPU搭載モデルで18万4800円。通常ディスプレイのMacBook Proと比べると3万円高くなりますが、その価値は十分にあります。標準を大きく超える性能とデザインに加え、前代未聞の高解像度ディスプレイを搭載しているとなれば、お得と言える価格です。もし、大画面ノートを物色中なら、Appleストアに足を運んで実物を見てください。物欲が刺激されまくることは請け合いです。
(文=柳谷智宣)