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裁判所の削除命令も知ったこっちゃない?

Googleのせいで、勝手に犯罪者にされ会社クビ?

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Googleサジェストを使うと、
人名や関連語が簡単に入力できる。
 ある日本人男性がGoogleを訴えている。


 その訴えの内容は「自分の名前を検索しようとすると、自分の不名誉な記事に行き着きやすい」というものだ。これだけを聞くと、なんのことだかわからないかもしれない。


 事のあらましとしては、まずGoogleでその男性の名前を検索しようとすると犯罪行為を連想させる単語が関連語として表示されてしまい、それを選択するだけで男性の不名誉な記事がずらりと並ぶ検索結果が表示されてしまうという事実がある。そして、その男性はこれにより「内定を取り消された」「プライバシーを侵害された」と主張し、Googleにこの関連語表示をやめるよう、表示の差し止めを求める仮処分申請を行ったのだ。2012年3月、東京地裁ではその申請が認められた。しかし実際にGoogleは対応していない。


 ここで出てくる疑問は、その機能とはどういうものなのか、なぜこのような事態が起ったのか、これはGoogleを加害者とするプライバシーの侵害という認識で正しいのか、東京地裁の差し止め命令はなぜ実行されないのか、という4点だろう。今回はこの4点について解説する。


便利機能とネットの話題が結びついた結果の問題


 まず1点目、この「犯罪行為を連想させる単語が関連語として表示される」という機能についてだが、これは「Googleサジェスト」という機能だ。Googleサジェストは、ユーザーの入力の手間を軽減するとともに、希望の検索結果にたどり着きやすくするための機能となっている。


 たとえば、会社名や商品名が正確に思い出せない時や、芸能人の名前の表記がわからない時でも、それが有名なものならば最初の数文字を入力しただけで候補として正しい名前や表記を出してくれる。さらに「パソコン」に対して「廃棄」や「フリーズ」のように目的の検索結果に近づくための関連語も表示される。


 この候補表示は多くの人が検索していたり、検索結果の中で人気のあるものから機械的につくられる。これが2点目の疑問の回答にもなる。なぜ男性の名前に犯罪行為を連想させる単語が関連語として表示されるのかといえば、男性の名前と犯罪行為を連想させる単語を一緒に掲載しているページが大量にあり、それを多くの人が検索し、閲覧しているからだ。


 実名や「犯罪行為を連想させる単語」が公開されていないため推測するしかないが、男性は本当に犯罪に関わったことがあるか、関わったと誤解されたことがあるのだろう。この場合、犯罪に関わった事実があるかどうかは関係ない。ただそうしたきっかけがあり、おそらく2ちゃんねるで「祭り」になり、複数のまとめブログに転載されたのではないだろうか。その二次的な転載や、読んだ人の日記的なブログ、SNSでのコメント等も含むのだろうが、中傷記事は1万件以上にも上っているという。


「プライバシー侵害ではない」、「米国法に従う」がGoogleの見解


 では、この状態はGoogleが加害者で、日本人男性が被害者だといえるのだろうか。1万件の記事を書いたのも、掲載しているのもGoogleではない。本来ならば中傷記事掲載ページを削除させるべきなのだが、数が膨大すぎて対応しきれない。そこでGoogleを相手取り、情報が掲載されたページそのものを消すのではなく、たどり着きづらくしようとしたわけだ。この流れを考えてもなお、誘導しているだけのGoogleは加害者だといえるのだろうか。少なくとも、Google自身はそう考えていないようだ。

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