仲間となら楽しくやれそう。(「girl’s Diet」サイトより)
身近なものとなっているからか、かつてのようにSNSと呼ばず、今では「ソーシャル」と略して言うのが一般的になっている。そのソーシャル利用で、もっとも「ホット」になりそうなのが企業や団体が独自に持つソーシャルだ。
「現在はフェイスブックやツイッターを使っている会社が多いが、ここへきてソーシャル・メディアの構築パッケージが相次いで投入されている。海外でコミュニティ・ビルダー、略してCBと呼ばれているものが代表的です。それで普通の企業でも気軽に導入できるようになっていることから、女性向けのダイエット製品など、デリケートな問題を扱う製品のユーザーに向けたコミュニケーション用に、独自のソーシャルを構築しようという企業が増えてきています」
こう話すのは、都内でソーシャル導入の支援を手がける会社社長。流れとしては、イーコマースの分野で販売力やブランド力のあるショップが、ショッピングモールから独自ドメインへと移行した感じに似ているという。驚いたことに、アプリの時代は、もう陰りを見せてきているのだそうだ。
「ソーシャル利用の一義的な目的としては、企業や特定の製品のファン作りが多い。同じ目線に立てるという特性があるから、既存メディアではできない顧客との深い関係性をつくるのに適しているわけです。それをもう一歩推し進めて、他人には簡単に知られたくない話題を扱うのに、登録の制限やハードルを設けた上で、ソーシャルを鍵付きの会議室的に使おうというわけです」(ソーシャル導入支援を手がける会社社長)
実際には、デリケートな分野の製品だけでなく、新卒採用の部分で使おうという企業も11年から出始めているそうだ。就職・採用活動では、学生と企業とが戦う相手のようになってしまい、結果的にどちらも素を出せずに「良い子、良い企業」を演じてしまうことが多くなる。互いに誤解したまま入社となって、後からマッチングが間違っていたと気づくのだが、これは学生にとっても企業にとっても、貴重な時間とコストの無駄遣いでしかない。そこで、オフィシャルだがパーソナルなコミュニケーションをはかることができる、ソーシャルに注目が集まっているのだ。