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「チャンスは1日に92回あります」射幸性が問題か

コンプガチャ再び!? バイナリーオプションは丁半博打か

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『バイナリーオプション超入門
「上か」「下か」を選んで待つ
だけのシンプル投資術』(幻冬舎)
 通貨を売買して為替差益を狙うFX(外国為替証拠金取引)で、「バイナリーオプション」と呼ばれる商品が話題となっている。ところが、その中身はもはや投資目的の金融商品とは言えない代物なのだ。

 バイナリーオプションは、為替を投資対象にするという点ではFXと同じ。最大の特徴は、ある一定時点において「円高になっているか」「円安になっているか」を予想し、それで「勝ち」「負け」が決まる点だ。しかも、「ある一定時点」とは1日後とかではなく5~15分後で、目先の相場を予測するようになっている。取引は100円程度と少額から可能。予想が当たって「勝ち」となれば、投資額が1.8~2倍になるという商品が多い。「負け」のときは全額没収となる。

 FXの場合、円高か円安かの予想が当たった上で、「どの程度の値動きとなったか」が利益の額を左右する。一方、バイナリーオプションは、予想した方向に相場が動きさえすれば、その値動きが小さくても資金が倍にもなる。

 話を聞いた個人投資家は、「1カ月で2万円が50万円になった」とほくほく顔だった。確かに商品性はシンプルで、一攫千金も狙えそうだ。しかし、ある疑問が浮かぶ。これはサイコロを振って、その出目を当てる丁半博打と何が違うのか? 実際、このような声は当のFX業界内からも聞かれる。あるFX会社幹部は「明らかに賭博以外の何物でもない」と言い切った。

 試しにFX業者の広告をみると、「選んで買うだけ」「最短10分で結果が出ます」「(10分ごとに取引がスタートするので)チャンスは1日に92回あります」というような文言が目に付く。これは射幸心を煽っているようにみえる。また、通常のFX取引なら、相場チャートの推移や各国の経済動向を分析して投資するが、5分、10分の相場予測をするというバイナリーオプションは、ゲーム感覚の投資に陥りやすいと言える。

 加えて、問題は「勝ち」「負け」の境界線となる為替レートの算定根拠が十分に示されていない点だ。特にバイナリーオプションは、円高・円安のどちらの予想でも、顧客が「負け」になるケースがある。そのため、為替レートの算定根拠が説明されていないのは"疑惑"を生む。

 バイナリーオプションは一定水準より円高か円安かを当てるものだが、その一定水準のレートには幅が設けられている。例えば、1ドル=80円52銭~80円56銭といった具合で、これは事前に示される。そして、取引終了時点の為替レートがこの範囲だったら、すべての顧客は「負け」となり、投じた資金はFX業者が総取りすることになっている。この業者総取りは意外に多い。例えば、ある業者の取引では約12回に1回の割合で発生していた。