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きっかけはフライング報道!?

読売が呼び水のコンプガチャ廃止で、グリーもパチンコ業界の二の舞い?

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読売が呼び水のコンプガチャ廃止で、グリーもパチンコ業界の二の舞い?の画像1近年のグリー新入社員は東大生ばかりらしい。
(「同社HP」より)
 ソーシャルゲーム業界は、数字上は「我が世の春」を謳歌している。その代表は、お互い何かにつけて衝突を繰り返す”宿命のライバル”こと「モバゲー」のDeNAとグリー。DeNAの2012年3月期決算は売上高1457億円(前期比29.3%増)、経常利益627億円(同11.4%増)。グリーの12年6月期決算見込みは売上高1600~1700億円(前期比149.3~164.9%)、経常利益800~900億円(同159.5~191.9%)と、好調を維持している。

 前期の経常利益が161.4%増を記録したDeNAが、横浜ベイスターズを買収したのはご存知の通り。一方、グリーの株価は上場から4年足らずで約7倍になり、時価総額は一時6000億円を突破し、日経新聞の時価総額上位ランキング100位以内にランクインした。 

 ところが、その急成長をもたらした収益モデルが今、根底から脅かされている。DS(任天堂)やプレイステーション(ソニー)などに代表されるゲームは、もともとゲーム機というハードに依存し、その枠組みを超えられなかった。それを打ち破ったのが、最近流行の、携帯電話、スマートフォンなら機種を問わずに遊べるソーシャルゲームで、「無料」をエサにユーザを拡大してきた。しかし、無料ではゲームがすぐ終わってしまうなどの限界が設けられていて、本格的に遊びたければユーザは特定の「アイテム」を購入しなければならない。この「アイテム課金」がDeNA、グリーの収益モデルの基盤をなしている。

アイテム課金<ガチャ課金<コンプガチャ
 
 両社はより多くの収益をあげるために、「もっとカネを使わせる仕組み」に傾いていく。それが「景品くじ方式」で、ユーザはどんなアイテムが出てくるかわからないまま課金される。街角にある、コインを入れてレバーを回すとカプセル入りのおもちゃが出てくる、「ガチャガチャ」「ガチャポン」と呼ばれる販売機になぞらえ、「ガチャ課金」と呼ばれている。何が出てくるかわからないため、ゲームを勝利に導くアイテムが出てくるまでゲーム上の「ガチャガチャ」のレバーを回し続けて、何千円も使ってしまうユーザが出てくる。

 さらに、この「ガチャ課金」に手を加え、「まるで中毒のように、カネをどんどん浪費させるしくみ」にエスカレートさせたものがある。それが最近話題の「コンプリートガチャ」、略して「コンプガチャ」と呼ばれるもので、ガチャ課金で入手したカードで特定の組み合わせを揃えてコンプリート(完成)させると、強力なレアアイテムが得られるというもの。熱中したユーザはコンプリートするまで、何千円、何万円も使ってしまう。

 消費者庁によると、2010年度は5件だったソーシャルゲームの高額請求に関する苦情や相談が、翌11年度は58件に増加した。その中には1カ月で数十万円とか、数日で10万円以上使った例もあるという。

 ソーシャルゲームの収益モデルは、そのギャンブル性も、ユーザがカネを浪費する度合いも、ゲーム会社が得られる収益の大きさも、「アイテム課金<ガチャ課金<コンプガチャ」という図式になっている。今後、市場が成熟して新規ユーザ数が頭打ちになったら、単なるアイテム課金だけでは今の高収益モデルを維持できないのは明らか。そのため、この業界は構造的にユーザにもっとカネを使わせるガチャ課金や、コンプガチャの方向に向かわざるを得なかったのである。

読売のフライング報道が、「コンプガチャ廃止宣言」に発展

 ゲーム会社の将来を左右すると言ってもいい、ガチャ課金とコンプガチャ。だがここにきて、思わぬかたちで強い逆風を受けている。高額課金は以前から未成年に悪影響を及ぼすと問題視されていて、4月、DeNA、グリーは自主規制で未成年の利用額に上限を設定すると発表したが、問題はそれでは終わらなかった。

BusinessJournal編集部

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