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幸運を呼ぶミラクルコンサルタント・田中雅子「ゼロからのリーダー学」第9回

超簡単!周囲や“エラい”人を巻き込んで仕事を成功させるワザ

文=田中雅子/田中総研代表
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超簡単!周囲や“エラい”人を巻き込んで仕事を成功させるワザの画像1田中雅子氏

 元外資系部長、ユニクロ元マネージャーであり、現在『とくダネ!』(フジテレビ系)コメンテーターとしてもお馴染みの田中雅子氏。長年現場のマネジメントに携わり、数々の全社プロジェクトを成功させ、企業成長を支えてきた田中氏が、ビジネスパーソンが自らをリーダーに成長するためにやるべきことを指南する。 

 私にコンサルを依頼される企業は、「田中さん、すべてを変えてくれ」と変革を求めている。経営者の方からは、「硬直した組織にクサビを入れてほしい」と言われることもあります。

●“現場の中に入り込む”コンサルタント

 私がこれまで企業の社員であった時に、さまざまなコンサルタントの方が訪問してきました。その経験上でいえば、コンサルタントの方は、豊富な専門知識を駆使して、レクチャーをしていくことが大半でした。

「●●には、このような手法でアプローチしていきましょう」

 そのように言われて、分厚い企画書や資料等、大量のドキュメントを置いて帰ります。確かに、コンサルタントさんからレクチャーを受けた通りにすると、成果が上がることが多かったのですが、それは、ある特定の問題の解決にしか役に立たないことがほとんどでした。つまり、別の課題に対しては、また最初からコンサルタントのレクチャーを受けなくてはならなかったのです。課題解決はすべてコンサルタント任せで、社員が自立して課題に取り組むというようなことはなかったんですね。いなくなってしまえば元に戻ってしまうことが多いのです。

「このままでいいんだろうか?」

 このような疑問に、いつも悩んでいたのです。

 そこで、独立してコンサルタントとして、企業を訪問させていただく時に決めたことがありました。私は、“一社員のごとく現場に入り込んで、現場の人と一緒になって解決する”コンサルタントになろうと。

●社員が自立して問題解決に取り組む

 具体的には、社内の課題についてクサビを入れるために、社員と同様に、一日その企業に入り込んで課題解決のお手伝いをすることです。それはレクチャーあり、プロジェクトチームの発案から運営であり、時には、社員の方々の悩み相談だったり、経営と社員を繋いだり、「抱えている課題をどうやって周りを巻き込んで成功させるか?」を指南したりと、本当に多岐にわたるタスクをこなす活動です。

 このことを私は「幸運を呼ぶミラクルコンサルタント」と呼ぶようにしました。レクチャーとドキュメントづくりに邁進する、私が過去に接したコンサルタントとは一線を画して、本質的な問題を解決するために、しっかりと各々の社員が自立して多様な課題に取り組むことができる、本質的な改革と社員一人ひとりが厳しくもイキイキと仕事に取り組んでもらえることを目標としているからです。

●反対するマネージャークラスを巻き込む

 企業の変革を妨げている壁の一つに、「なんとなく反対」している中間層=マネージャークラスの存在があります。

 彼らをどのように変革に巻き込んでいくかが、重要な鍵を握ります。トップが号令をかけたとしても、おそらくマネージャークラスの10人中7人くらいは、「なんとなく反対」しているんですね。それは、変わること、変革することは非常にエネルギーがいるからです。日常業務やマネジメントで手一杯なのです。あとは、変革そのものに興味がない。でも、この原因の多くは感情的なものなんだと思います。

田中雅子/田中総研代表

田中雅子/田中総研代表

“経営総合コンサルティングファーム” 田中総研代表

大学院在学中に、窮地に追い込まれた家業をいきなり継ぐことになり、稼ぐために外資系企業に入社。1年で部長に上り詰め、ファーストリテイリング(ユニクロ)に転じる。その後、一部上場企業執行役員、子会社社長を経て、独立。現在は、田中総研代表として、経営コンサルティングや企業研修、講演、執筆、テレビコメンテーターなど幅広く活動している、経営コンサルタント。

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