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幸運を呼ぶミラクルコンサルタント・田中雅子「ゼロからのリーダー学」第9回

超簡単!周囲や“エラい”人を巻き込んで仕事を成功させるワザ

文=田中雅子/田中総研代表
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「オレは、(この変革の)主役ではないから……」「関係ないから……」

 そこで、私は何をするかというと、社内で変革を推進するためのプロジェクトを立ち上げて、そのマネージャーにプロジェクトのメンバーになっていただきます。そして、そのプロジェクトの会議の冒頭で、他のプロジェクトメンバーに対してトップからのメッセージを噛み砕いて発表するような役割を担っていただきます。改革の表舞台に立たせてあげるのです。

 また、必ずプロジェクトに対していちいち文句をいうような役員がいたりしますが、プロジェクトのキックオフの挨拶を全員の前でしてもらったり、社内報などに登場してもらったりしています。すると必ず

「オレ、言っちゃったよ…」

と、後日、周囲に自慢げに言っていたりします。

「なんとなく反対」だったマネージャーを巻き込むことが、改革を進めるプロジェクトの運営には不可欠なんですね。そうすると、組織が変わってくるんですよ。活性化していくわけです。

●周りを巻き込む魔法の言葉

 改革を進めるプロジェクトチームの運営が順調に進むと、私はトップに必ずそのチームを組織化するように提案をしています。それは、継続的に変革できるようにするためです。コンサルタントがレクチャーして課題解決していくのは、打ち上げ花火のようなもので、一回打ち上げて、それで終わってしまうようなものなんですね。

 プロジェクトチームも、一回運営して、課題解決して終ってしまうと解散するようでは、打ち上げ花火と同じなんですね。そこで、何回もPDCAのサイクルを回すことができるように組織化することが大切なんです。

 プロジェクトメンバーは、課されるタスクが非常に重いので、全部自分で仕事を抱えてしまうような人だと、「通常業務+プロジェクトのタスク」でパンパンになってしまう。すると「勘弁してください」と泣きが入ることもあります。そんな時に私は、

「どうして、○○さんをプロジェクトメンバーに入れているかわかる?」

と質問します。「わかりません」と言う社員の方には、

「なんで他の人に相談したり、動いてもらわないの?
『○○さん、いつまでにできますか?』ってお願いすればいいんですよ」

とアドバイスします。

●マルチタスクをこなすためには?

 企業を変革していくということは、社員一人ひとりがマルチタスキングをできるようになって、仕事がバリバリとこなせるようになることが必要です。

 そのためには、多くの業務が来た場合に、それぞれの業務を見極めて、

「アウトプットのイメージはどのようなものか?」
「それを完成するための社内外コミュニケーションがしっかりとれているか?」
「アウトプットするまでの時間はどれくらいかかるか?」

ということを、予測することができなくてはいけません。そのための自分自身のスケジューリング管理も重要です。

 私は、毎日裏紙に「その日に自分がやるべき業務」を書き出すようにしています。これにかかる時間は、おおよそ5分程度です。そうすると、頭の中が整理できて、「この業務は、Aさんにお願いしよう」とか「これは、私にはアイディアがないからBさんに協力を仰ごう」などと決めることができます。

田中雅子/田中総研代表

田中雅子/田中総研代表

“経営総合コンサルティングファーム” 田中総研代表

大学院在学中に、窮地に追い込まれた家業をいきなり継ぐことになり、稼ぐために外資系企業に入社。1年で部長に上り詰め、ファーストリテイリング(ユニクロ)に転じる。その後、一部上場企業執行役員、子会社社長を経て、独立。現在は、田中総研代表として、経営コンサルティングや企業研修、講演、執筆、テレビコメンテーターなど幅広く活動している、経営コンサルタント。

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