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ヤクルト、堀長期政権が窮地に。前門のダノン、後門の販社

ヤクルト買収でお家騒動! 販売会社が仏ダノンと組む!?

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このCM、ネットだと賛否両論ですがぼくは好きです。
(「ヤクルトHP」より)
 乳酸菌飲料最大手のヤクルト本社がフランスの世界的な食品会社ダノングループに呑み込まれようとしている。ひとまず、M&A(合併・買収)の強攻策は先送りされた。

 ダノンは現在、ヤクルト株の20.0%を保有している筆頭株主。出資比率の引き上げ交渉は11月15日が期限だったが、出資比率や業務提携の内容について折り合いがつかなかった。出資比率を引き上げたいダノンと、経営の独立性を主張するヤクルトとの隔たりは大きく、交渉は延長戦に突入している。

 2004年3月に合意した内容は、向こう5年間は出資比率を20%以上には引き上げない。そのさらに後の5年間も、実質的な経営権を握るほどには出資比率を引き上げない、というものだった。07年5月に提携を見直し、買い増し制限条項を12年5月まで延長した。36%を超える買い増しについては17年まで禁止することで合意した。「20%は超えない」との契約が今年5月15日に切れたため交渉のテーブルに就いていた。

 これでダノンは、ヤクルト株式を実質的な経営権を握らないくらいの数までは買い増せることになった。ダノンは出資比率を経営の重要議案を否決できる35%まで引き上げたい意向で、新たな出資・提携関係について協議してきた。

 契約によれば5月16日から6カ月以内に合意に至らなければ、契約を終了できることになっている。数カ月前にはタイムリミットを迎えたわけだが、とりあえず「協議を継続する」ことになった。ヤクルト本社の川端美博副社長は11月9日の決算会見で、「時間をかけた話し合いをすることで合意している」と言うにとどめ、新たな交渉の期限については明らかにしなかった。

 だが常識的に見て、いつまでも交渉を続けることはできないだろう。交渉が決裂すれば「ダノンはヤクルトの株式公開買い付け(TOB)に踏み切ることになる」との観測が証券市場で台頭している。

 そもそも、ダノンを株主に呼び込んだのは、ヤクルトの最高実力者の堀澄也現会長(77)だ。96年4月に社長に就任。初の本社入社組の経営トップとなった。以来、現在に至るまで17年間、社長・会長として長期政権を続けている。

 堀社長がピンチに立たされたのは就任2年後の98年。資金運用責任者の熊谷直樹副社長(当時、脱税などで有罪)が、90年代の財テクの失敗を埋め合わせようとして、投機的なデリバティブ(金融派生商品)に手を出し、98年3月期決算で1000億円以上の損失を出したからだ。

 堀社長らが株主代表訴訟を起こされたほか、詐欺商品である私募債「プリンストン債」を使った粉飾決算も発覚。会社自体が起訴され、株式も管理銘柄入りするなど不祥事が相次いだ。

 これらの事件で桑原潤会長(当時)と熊谷副社長は引責辞任したが、堀社長はこの危機を乗り切った。窮地に陥った堀社長が救済を求めたのがダノンだった。ダノンを後ろ盾にして社長の地位を保った。