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「危ない企業300社リスト」からまたまた倒産

「原因は粉飾決算」テレビショッピングの日本直販の倒産

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post_998.jpg粉飾は「お待ちして〜いま〜す〜♪」のCMのためとは。
(「日本直販HP」より)
 テレビショッピングの日本直販で知られる総通(大阪市、喜多俊憲社長、非上場)は11月9日、民事再生法の適用を大阪地裁に申請した。負債総額は174億円。法人向けのコールセンター代行の東証1部上場のトランスコスモス(東京・渋谷、奥田昌孝社長)がスポンサーとして名乗りをあげ、再建を図ることになる。倒産の原因は、ズバリ、長年にわたる粉飾決算である。

 今年夏、民間調査会社、東京経済が銀行・商社の審査マンを対象にしたセミナーで「危ない企業300社リスト」を発表したが、そのなかに総通が入っていたことが、一部で話題になった。「20年にわたる大掛りな粉飾が発覚して、金融機関からの支援が難しくなった」というのがリストアップされた理由だった。

 粉飾が発覚したのは6月。資金繰りが悪化した総通は、主力金融機関の京都信用金庫(京都市)など借入先約20行に元本返済の猶予を求めた。京都信金が再建策を検討するため、監査法人による資産査定(財務デューデリジェンス)を行った結果、架空在庫や利益の水増しなど過年度の粉飾決算が発覚した。

 2011年9月期の、同社の財務諸表上の純資産額は約70億円。それが実際は80億円を超える債務超過に転落していたのだ。このほか創業者の長男の喜多俊憲社長と弟の喜多良二副社長の2人に、相続税の納付資金としてそれぞれ5億円ずつ貸し付けていたが、10年以上、返済されないままになっていた。

 粉飾を行ったのは「テレビコマーシャルを打ち続けるためには、財務内容が健全であるように見せること必要だった」(金融機関)からと見られている。

 1961年に創業者である喜多進氏が、ペン習字の通信教育を始めた。72年には通販事業に参入、テレビショッピングの草分けとして知られる。テレビショッピングは、市販されていないアイデア商品をヒットさせ、大化けさせれば儲かるという、一発勝負のところがある。

 庭木の手入れに使う最大3メートル伸びる「高枝切りばさみ」、掃除機の先につけて細かいゴミ掃除に便利な「スーパーはぼき」などのヒット商品を連発。95年9月期には525億円の売り上げを計上した。

 だが、最近はヒット商品に恵まれなかった。ハンガーにワイシャツをかけたまましわを伸ばせるとうたった「NEWパワースチームアイロン」は、テレビCMのようにはいかないという苦情が出た。アイロンが異常発熱して、発煙の恐れがあるとして11年9月、リコールを行い損失が発生した。

 ネット通販に押され11年9月期の売り上げは、256億円に半減していた。インターネットを使ったECサイトでの対応が遅れたことが大きい。

BusinessJournal編集部

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