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携帯キャリアの映像コンテンツサービスの落とし穴 見放題のほとんどは…

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携帯キャリアの映像コンテンツサービスの落とし穴 見放題のほとんどは…の画像1「Thinkstock」より
 ドコモのdビデオ、auのビデオパス、ソフトバンクのUULA、海外のHulu、など、このところ動画サービスが盛り上がりを見せている。レンタルショップに行く手間がかからず、家にいながらでも、屋外のちょっとしたすきま時間でも映像を楽しめる、月額定額で見放題のサービスが増えていることで、人気が出てきているようだ。

 各社激しい争いをしている中で、最近とくに目立っているのがソフトバンクのスマホ向け動画配信サービス「UULA(ウーラ)」。サービス開始から、登録者数が急増しており注目されている。SMAPが歌う故・三波春夫の代表曲『世界の国からこんにちは」のカバーソングにのせて、ハリウッドスターや大物ミュージシャンが続々と登場するCMや、駅貼り広告、トラック広告などもよく見かけ、プロモーションにもかなり力を入れているようだ。UULAのウリは、「音楽も映画も60,000以上のコンテンツが月額490円で見放題」なこと。ところが、実際に使ってみようと入会してコンテンツ数を確認してみたところ、かなり「大量コンテンツ」というウリとはギャップがあるようだ。

 現時点で表示されるタイトル数は、映画は749件、テレビドラマ&アニメで373本しかなかった……。音楽系コンテンツとして、ミュージックビデオが9086本、ライブビデオ253本。これら全てを足しても1万件程度で、残りはカラオケと歌詞カードだと思われる。カラオケの配信数は表示されないものの、J-POPからアニソンまで相当な範囲でカバーされている。更に歌詞というカテゴリにかなりの本数がカウントされているが、これは動画ではなく、ただ歌詞が表示されるという内容である。

■実際に加入して確認したコンテンツ数(2013年3月19日時点)

ミュージックビデオ:9086
ライブビデオ:253
映画:749
ドラマ・アニメ:373
UULAオリジナル動画:3
合計:10464コンテンツ
(※カラオケと歌詞カードはアーティスト別でコンテンツ数が表記されており、全体のコンテンツ数は把握しきれず)

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 その他のキャリア動画配信サービスのコンテンツ内訳を見てみると、ドコモの「dビデオ」は映画1811本、ドラマ・アニメ607本となっている。auの「ビデオパス」は、映画1250本(新作含む)、ドラマ・アニメ619本というラインナップだ。各キャリアの動画配信サービスを比較してみても、UULAは映画・ドラマ・アニメの配信数が最も少なかった。

 UULAはエイベックスグループが運営していることから、ミュージックビデオや音楽に力を入れていることはわかるが、このために提携したJOYSOUNDの影響がコンテンツのほとんどを占めていると考えざるを得ない……。また、カラオケだけではなく、映像ではないものの歌詞カードも10万本以上用意されている。実際に「最新の曲はほぼすべて網羅している」と(エイベックス・エンタテインメント 星野拡氏)もコメントもしているが、「音楽も映画も」と謳われ、映画を期待していたユーザーにとっては、やや残念な内訳である。

 ソフトバンクUULAが最大最安値を謳う裏には、膨大なカラオケコンテンツや歌詞カードが多くを占めているという、からくりがあった。当初、2012年12月のサービスインを予定しており、開始時点で数ヶ月の遅れがあった同サービスだが、コンテンツの準備は周到に用意された広告展開のようには進んでいなかった様子。各社が熾烈な競争を広げる動画配信サービスを検討するにあたっては、単なるコンテンツ数で判断するのではなく、どのようなコンテンツがあるのか、自分が欲しいコンテンツがあるのかなど、その“質”に注意する必要がありそうだ。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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