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オリエンタルランドがブライトンホテル買収

ディズニーランド大型利権に群がり、地上げヤクザが暗躍 運営元は内紛続き?

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こちらはフロリダ・ディズニーワールド。
(「Wikipedia」より)

 オリエンタルランド(OLC)の株価が急騰している。連日、上場来の高値を更新して3月7日の株価は1万5300円。初の1万5000円台に乗せて、2012年来安値の7820円(12年1月23日)の2倍弱に上昇した。

 OLCはホテル運営のブライトンコーポレーション(千葉県浦安市)を買収すると発表した。「脱ディズニー」の方策が好感され、株価を押し上げた。

 3月29日付で、長谷工コーポレーションからホテル運営子会社のブライトンコーポレーションの全株式を5億円で取得する。ブライトンの借入金を肩代わりすることから、買収の総額は100億円台になる見通しだ。

 ブライトンは千葉県と京都府などで4つのホテルと1つの宿泊施設を経営する。京都ブライトンホテル(88年開業、客室数182室)、浦安ブライトンホテル(93年開業、同189室)、ホテルブライトンシティ京都山科(98年開業、同100室)、ホテルブライトンシティ大阪北浜(08年開業、同234室)、蓼科ブライトン倶楽部(90年開業、同40室)である。

 とはいえブライトンは、OLCが100%出資するミリアルリゾートホテルズが子会社にするため、OLCから見ると孫会社になる。ミリアルは東京ディズニーリゾート(TDR)内に、ディズニーアンバサダーホテル、東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ、東京ディズニーランドホテルを運営している。

 ブライトンを買収する直接的な目的は、TDRの宿泊プランを提供している浦安ブライトンを取得することにある。自社のホテルと相乗効果を得られると判断した。日本有数の観光地にある京都ブライトンは、浦安市舞浜以外でホテル事業を始める契機ともなる。しかし、ほかのホテルはビジネスホテルであるため、早晩、転売することになるだろう。

 OLCはテーマパーク事業とホテル事業の2本立てで、業績は絶好調だ。13年3月期の連結業績の売上高は前年同期比7%増の3854億円、当期純利益は50%増の483億円と最高益を更新する見込みだ。前年は東日本大震災で長期休園したため、その反動による増加があったのは事実だが、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーでの新規イベントや新アトラクションによる集客効果が業績を押し上げた。

 舞浜に収益源が集中する事業構造はリスク要因になると指摘されてきたが、大震災による長期休園で、それが現実のものになった。そのため、脱舞浜、脱ディズニーが、OLCの大きな経営課題となっていた。とはいえ、ディズニーに次ぐ収益の柱が、おいそれと見つかるわけではない。ブライトンホテルの買収は、その突破口になると期待されている。

 4月から、東京ディズニーリゾートの開業30周年イベントが始まる。テーマパークとして大成功したが、ディズニーランドはすんなりできたわけではなかった。

 設立の秘話を紹介しておこう。OLCは設立の時から魑魅魍魎が群がる利権の巣になっていたから、面白いエピソードがてんこ盛りなのである。

 OLCは1960年、京成電鉄と三井不動産、それに船橋ヘルスセンターを経営する朝日土地興業の3社の共同出資で、千葉・浦安沖の埋め立て事業を目的に設立された。三井不動産元会長の江戸英雄氏が、血の気の多い漁民に漁業権を放棄させる交渉役に適任だとしてスカウトしたのが高橋政知氏だった。高橋氏は元祖地上げ屋である。

 高橋氏の交渉術は、実に凄まじいものだった。酒豪の高橋氏は、漁協幹部を柳橋や日本橋の料亭で連夜の接待漬けにした。県知事、政治家、ヤクザとも深く交わり、懐に喰い込んだ。こうしたマンツーマンの説得工作が功を奏し、漁民は漁業権の放棄に同意した。

 ディズニーパークの日本誘致発案者は京成電鉄社長(当時)の川崎千春氏だ。高橋氏はディズニーランドには、これっぽっちも興味を持っていなかったというから面白い。「埋立地には女子供が遊ぶディズニーランドなんかより、競馬場をつくったほうがカネになると主張していた」(関係者)という。

 それが、東京ディズニーランドの“生みの親”と称されるようになったのは、川崎氏の後を継いでOLCの2代目社長になったこともあるが、高橋氏自身のパフォーマンスによるところが大きい。

 高橋氏は日本経済新聞の『私の履歴書』でディズニーランドを成功させた手柄話を語った。その内容に三井不動産が激怒し、当時経済界の話題になった。