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日本郵便、会員サービスめぐり訴訟 グッズ発注で利権、辞職者も陳述書、組織的関与か

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日本郵便本社(「Wikipedia」より)
 郵便局のサービス事業のひとつに「頒布会」というものがある。

「実は、ここに旧郵政時代から脈々と受け継がれてきたと囁かれる利権のひとつがある。本当に利権かどうかは、まだわかりませんが、怪しんでいる人は多い。しかもそれをめぐり訴訟が起きてしまったため、関係者は今、真っ青ですよ」(総務省官僚)

 訴訟の内容について触れる前に、簡単に「頒布会」について説明しておく。

 会員は、旬の味覚が詰まった商品のカタログから選んで申し込むと、代金が「ゆうちょ銀行」から自動引き落としされ、商品が手元に届くことになっている。現在、会員数は約80万人。目的は、ゆうちょ銀行の加入者を増やすことや、高齢者の多い顧客の満足度を高めること、さらには、休眠口座をつくらないことなどいろいろある。

 運営しているのは、日本郵便株式会社の子会社である郵便局物販サービス(東京・江東区)のお客様サービス部だ。

 訴訟の対象になっているのは、会員になるともらえるキャラクターグッズである。2013年のプレゼントは、郵便ポストにキティちゃんが寄り添う格好のハローキティ貯金箱。さらには、4年連続で入会していると、キティちゃんのクーラーバッグとエコバッグももらうことができる。

 キティちゃんといえば、言わずと知れた「国民的アイドル」。そのキティちゃんが、我々の知らない間に「未払い企画料支払い請求事件」の証拠品として法廷に「出廷」させられていたのである。

 事件の概要はこうだ。

 このノベルティーサービスを取り仕切っているのは、郵便局物販サービス・カタログ営業部だ。担当課は、入札で事業者を決め、リンベル株式会社(東京・日本橋)にとりまとめを任せていた。とりまとめの業者は、リンベル以外にいくつかあるが、ここ数年はリンベルの「落札」が多いという。おおまかな構図としては、とりまとめの会社がA社に企画立案を頼み、B社がライセンスを取得してデザインを考案し、C社が工場等に大量発注して、最終的に郵便局物販サービスに納品するという流れ。

 10数年以上前からこうしたサービスは行われていたそうだが、カタログの扉に載せるなど、大々的に行うようになったのは、07年の郵政民営化以降だという。

●原因不明の日本郵政辞職者も関係か?

 問題の「未払い企画料支払い請求」訴訟は、昨年、なぜか福岡県北九州市に在住の「北村工業ことK氏」から、東京のF氏に対し起こされ、その損害賠償請求額は875万円だった。北村工業は訴訟まで、ちゃんとした会社組織ではなく、「社長」のK氏は、「プラントの会社を経営していると言っていますが、溶接工だという話もあり、誰も生業がよくわからないらしいのです」(日本郵便関係者)という人物だ。

 実は、昨年のノベルティーグッズのキャラクターもキティちゃんだった。貯金箱のほかに通帳のマルチカバーと印鑑ケースだったという。

 驚くべきことに、このグッズの企画・デザインの考案については、K氏の従姉妹で北九州市八幡にある丸尾郵便局のH主任が中心となって行ったというのだ。H主任の陳述書は、以下のとおりである。

「平成23年度秋、K氏より、私の家で頒布会に入会したお客様に対してノベルティーを渡すのにどんな商品が喜ばれるのか、そしてどんなキャラクターがよいのか、“私の家”で昨年の“あじきこう”カタログを見ながら相談を受けました(中略)お客様から、貯金箱、郵便ケースに関連したものはキティちゃんがよいのではという意見が“合った”ため、その話をK氏に電話で伝えました」

 読者も私と同じ疑問を持つと思うのだが、なぜ、「私の家」で相談をしなくてはいけなかったのか。さらに、指摘させていただくと、「あじきこう」は正確には「味紀行」で、「合った」も「あった」の誤字だと思われる。

 裁判所に提出する陳述書としてはお粗末と言えよう。

 不思議な陳述書はまだ続く。