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佐川急便はブラックor優良?手厚い福利厚生&待遇、体育会系ハードワーク…

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『佐川男子』(飛鳥新社)
 世の中には「ブラック企業ランキング」「不人気企業ランキング」といったものが存在する。しかし、ブラック企業アナリストの新田龍氏によれば、「ブラック企業」に該当しない企業が含まれていることがあるという。内情は優良企業でさえあるのだが、その企業が属する業界や、一部の個別企業によるダーティなイメージが投影されている可能性があるためだ。新田氏がそのような企業を取り上げ、「何がブラック企業イメージの原因か」「実際はどうなのか」について、多角的に分析していく。

 今回は佐川急便を取り上げる。

 同社関連の話題といえば昨年夏、全国3万人のセールスドライバー(以下:SD)から社内公募で選ばれた50人が登場する写真集『佐川男子』(飛鳥新社)が発売されたことが記憶に新しい。単なるネタかと思っていたのだが、発売から2週間で重版がかかり、現在までに約2万部を発行というベストセラーになってしまった。しかも、発売1カ月後には、なんと選ばれたSDたちとの握手会&撮影会が開催されるなど、人気がとどまることを知らない状況だ。

 私自身が就活生だった15年前、同社のイメージはこんなに明るくクリーンなものではなかった。当時は、1992年に起きた「東京佐川急便事件」の記憶も生々しい頃だ。これは、自民党経世会(のちの竹下派)会長の金丸信が佐川急便から5億円のヤミ献金を受領したとして議員辞職に追い込まれた汚職事件である。しかもその経緯が、次期首相最有力候補の竹下登が右翼団体から受けていた攻撃をやめさせるため、当時の佐川急便社長・渡辺広康が暴力団稲川会会長・石井隆匡に口利きしたというダークなものであった。佐川急便が労働法違反を繰り返しても罪にとわれず、配送区域も次々に認可を受けてスピーディに全国展開していた裏には、このような形で自民党議員へ多額の資金提供をおこなっていたからだと言われている。

「給料は高いが、超ハードワークで、人間扱いされない会社」。起業資金を貯めるために一時期同社で勤務していた「ワタミ」創業者の渡邉美樹氏も述べていたこともあり、何か借金の返済など、よんどころない理由があって入らざるを得ない会社、というイメージがあったことは事実だ。しかし、今やどうであろう。同社の採用ページでは、「先輩社員が佐川急便を選んだ理由」について次のような情報が掲載されている。

「佐川急便 HP」より

「一流企業・大企業だから」が、入社理由の一位。たしかに同社は売上高8,811億円、社員数49,117名の大企業である。不況で安定・安心を求める人にとっては、ひとつのよすがであろう。

 以前はSDになれば60〜70万円と言われた月給も、2008年の改訂以降はベースが下がった。それでも、SDとして普通に勤務していれば40万円程度は得られるようで、高収入を目指したい人にとっては貴重な選択肢となるだろう。

●大家族主義を標榜

 現在同社では、「福利厚生の充実」を前面に出してPRしている。具体的には、一般的な社会保険以外に、次のような制度を設けている。