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背後にはあの木村剛、インデックスってどんな会社?

インデックス、強制調査前から不正会計の疑惑…巧妙な手口、不良債権隠蔽か

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いろいろやってるのはわかりました。
(「インデックスHP」より)

 ジャスダック上場のゲームソフト制作・携帯コンテンツ会社、インデックスが複数の会社と架空循環取引で売り上げ・利益を水増ししていたとして、証券取引等監視委員会が6月12日、同社と会長の落合正美、社長で妻の善美の自宅に金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の容疑で強制調査に入った。

 日本振興銀行は2010年9月10日の朝、経営破綻を金融庁に申し立てた。申請を受けた金融庁は、預金1000万円までの元本とその利息を保護するペイオフを発動。預金保険機構が金融整理管財人となった。同日午後、日本振興銀行は東京地裁に民事再生法の適用を申請した。初めてペイオフが実施された瞬間だ。

 この時からインデックス(当時はインデックスホールディングス)は、いろいろと話題になっていた。民間信用調査会社の幹部は「今回の粉飾疑惑の件は前々から耳にしていた」という。監視委は過去にさかのぼって粉飾額を調べているが、かなりの額になりそうだという。悪質性が高いと判断されれば、刑事告発は免れないだろう。

 刑事告発されれば、上場廃止が視野に入ってくる。インデックスの事業の再生も難しくなるし、関連会社への影響が懸念される。

 架空取引などによる売り上げや利益の水増しがなければ、インデックスは、遅くても11年8月期末には債務超過に陥っていた可能性が高いことが分かっている。監視委では、上場廃止となる2期連続の債務超過を避けるために、不正な会計処理に手を染めた、とみている。
今後、押収した資料の分析を進めるとともに、落合正美会長らから事情を聴き、取引の実態や動機の解明を進める。

 循環取引の手口はこうだ。インデックスはゲームソフト制作のほか、インターネットや携帯電話、映像関連など多岐にわたる事業を展開しており、取引先は100社以上あった。

 50社以上の小規模な取引先を巻き込んで、架空の仕入れや販売を繰り返し、12年8月期までの数年間に、数十億円の売り上げや利益を水増しした疑いが持たれている。

 インデックスは95年9月の設立。合併・買収を繰り返し、事業を拡大してきた。景気低迷にメインバンクだった日本振興銀行の経営破綻が加わり、経営が悪化。11年8月期まで5期連続で赤字が続いていた。だが、12年同期は売り上げ183億円、最終黒字4億4700万円を計上している。黒字転換したことになっている。

 総資産から負債を差し引いた純資産をみてみると、06年8月期末には865億円あった。それが、07年同期から5期連続で連結最終赤字になったため、この間の累積赤字額は700億円を超えた。このため11年8月期末には純資産は7億円にまで目減りした。翌12年同期には4億円になったと公表していた。

 ジャスダックに上場する企業が債務超過になった場合、1年以内に資産がプラスに転じないと上場廃止になる。これを避けるために架空の循環取引を繰り返し、資産がプラスの状態のように偽装していた疑いが浮上している。同時に、不良債権を隠蔽して、損失を圧縮する方法もとっていた。

●日本振興銀行の経営破綻

 日本振興銀行の実質オーナーは、“あの”木村剛である。

 日本銀行のエリート。小泉純一郎政権の中枢に人脈を築いていた。竹中平蔵・内閣府特命担当大臣(金融担当)とは太いパイプがあった。木村剛は、小泉純一郎、竹中平蔵のコンビが進めた構造改革の申し子といわれ、金融庁の顧問を務めていた時期もある。

 金融庁は、当初から金融史上初のペイオフを考えていたわけではない。国内外の金融機関や投資ファンド10社以上が、日本振興銀行の買収に名乗りを上げていたからだ。しかし、「貸出債権で巨額の追加引当金が発生、SFCG(旧・商工ファンド)との取引にからむ二重譲渡債権問題での損失や引当金が加わり、1800億円もの債務超過に転落する見通しとなった」(この時社長だったのが小畠晴喜〈ペンネーム、江上剛〉)ため、買収話は雲散霧消した。
債務超過が1000億円を超えた時点で、社長の小畠ら経営陣は日本振興銀行の売却を断念していた。

 まっとうな自己査定を行ったとたんに、日本振興銀行の経営は瓦解したのである。

 10年7月14日、警視庁は木村剛・前会長や経営を担ってきた社長など5人を逮捕した。急遽、社外取締役で取締役会議長を務めていた小説家の江上剛が社長に就任したのである。木村剛の逮捕が、日本振興銀行の死命を制したといっていいだろう。
(文=編集部/敬称略)