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反応さまざまなあのニュースをどう読む? メディア読み比べ(6月11日)

秋元Pでさえ…“シラけ選挙”でAKB48終了!? ファンの擁護も厳しい“センター指原”の功罪

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これでますます天狗に……。(撮影:岡崎隆生)

 先週末、日産スタジアムで開票結果が発表された「AKB48第5回選抜総選挙」に続報が相次いでいる。10日の産経ニュースによれば、フジテレビ系で生中継された番組の平均視聴率は去年を上回る20.3%を記録。“国民的アイドル”としての注目度の高さを見せつけたが、一方で、ご法度の恋愛スキャンダルでAKB48からHKT48に移籍した指原莉乃が1位を獲得し、センターの座に輝いたことで反発や失望の声も上がっている。

 スポーツニッポンをはじめ、各メディアが大きく取り上げたのが、マンガ家で業界きってのAKB48フリークとして知られる小林よしのり氏の発言だ。

 開票から一夜明けた9日、小林氏は自身のブログで「指原莉乃1位にはシラケた」「こんなに感動がない総選挙は初めてだ。会場の空気も一気にシラケていたのがわかった」と述べ、さらに翌10日は「恋愛禁止ルールを守って、ストイックにアイドルの王道を歩むメンバーより、ルール破りや、左遷や、劇場支配人といった『話題性』と、ヘタレが頂点に立つという『物語性』を持つキャラの方を、ファンは選んだ。社会に失われた『本気(マジ)』という価値観が、AKB48にはあると思って、応援してきたが、今回の総選挙ではそれが失われた」と痛烈にセンター・指原を非難している。

 事前の予測で1位指原をはじめ、16位中8枠を的中させたAKB通の評論家・濱野智史氏も、「シラけ選挙」であったことを認めている。6月10配信の朝日新聞デジタル版の記事で濱野氏は、小林氏の発言を受けて「あれほどの客が途中で帰りだす光景を見るのは、初めてだった。正直、筆者も驚いた。昨年武道館で見た優子コールの一体感とは、まるで別物だった。確かにシラけた空気がスタジアムを支配していた」とコメント。「つくづく、面白いものだと思う」と好意的ながら、この1年間に報じられたAKB48の恋愛スキャンダルや泥酔帰宅の光景、合コン、運営関係者とのお泊まり、坊主謝罪などを挙げ、「AKBはこの1年間、世間をシラけさせ続けてきたのではないか」と、そのことを象徴する選挙結果になったと分析している。

 このように、明らかに異色の総選挙となったわけだが、それでも前向きにとらえるファンは多い。脳科学者で、生中継番組にゲスト出演した茂木健一郎氏はツイッターで、「AKB48の総選挙がここまで関心を集めるイベントに成長したのも、『ひたむきさ』というアイドルの文法に則っていたから」「指原莉乃さんが、昨日のAKB48総選挙で一位になった。そのことが明らかになった瞬間、会場の雰囲気が一変して、みんなが笑いだした。何かから解放された瞬間。アイドルはひたむきであるべきだ、という昭和時代からの日本ポップカルチャーの根幹が、あの時崩れたのだろう」と述べ、“センター指原”でAKB48が新たなステージに踏み出したと分析。9日付の産経新聞にコメントを寄せた漫画家のやくみつる氏は、「指原さんはAKBのメンバーじゃないから、一種のねじれ現象みたいなもの。でも、この現象を主催者もファンも楽しんでいくのではないか」と楽観的だ。

 しかし、大島優子や篠田麻里子、高橋みなみ、板野友美といった主要メンバーの影が薄くなり、HKT48に所属する指原をはじめ、SKE48の松井珠理奈&松井玲奈、NMB48の山本彩、渡辺美優紀など、姉妹グループの躍進が目立つことに、「全国的なアイドルという意味では終わりを迎えるのでは」という分析もある。

 6月2日の産経新聞で、速報を受けた『AKB48の経済学』(朝日新聞出版)の著者で、上武大学ビジネス情報学部の田中秀臣教授は「もし主要メンバーがこのまま順位を落とすことになればAKBは全国的なアイドルという意味では終わりを迎えるのでは。劇場に駆けつけるコアファンと、テレビなどを通じての一般的なファンの両輪で国民的アイドルを目指すグループ全体にとって、この地方の大躍進は非常にバランスが悪い状態」と話していた。

 一方、総合プロデューサーである秋元康氏のシラけっぷりも話題に。現在に至るまで公式なコメントを出してはいないが、6月8日配信のORICON STYLE記事によれば、開票イベント後の会見で指原自身が「さっき会ったんですけど、こうやって(首をかしげるポーズを真似てみせ)、あんまり納得いっていないと思う」と、秋元氏の反応がイマイチだったことを告白している。

 AKB48ブームは次なるステップに進むのか、いよいよ終焉への道に入っていくのか――。センターに問題児・指原莉乃を迎えた新生AKB48への秋元氏の思いや、選挙への“シラけ”がファンの間でどう広がっているかは、8月21日にリリースされるニューシングルの内容やセールスで明らかになるだろう。
(文=blueprint)

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総合カルチャーサイト「Real Sound(音楽・映画・テック・ブック)」の運営や、書籍や写真集の発行、オウンドメディアの制作支援など“編集”を起点に様々な事業を行っている。
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