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“オトコたちのウットリワールド”をぶった斬り!「男性誌」のあぜ道 第7回

男の価値は日焼け肌で決まる!?ゴリ推し男性誌「Safari」のメンタリティとは?

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「Safari」(8月号)の表紙(日之出出版HPより)
 お暑うございます。漆原直行です。ビーチで日焼けなんて、この20年しておりません。

今回取り上げるのは、こちらの特集でございます。

 「Safari」(日之出出版/8月号)
夏こそセクシー&ワイルドに!~ブロンズ肌で魅せる男に!

 『いくつになっても冒険野郎!』と毎号、表紙で煽るSafariですが、同誌のこだわりを端的にまとめてしまうと「ハリウッドセレブ」と「カルチャー」に集約されると思われます。とにかく、この2要素への憧憬というか、傾倒がすがすがしいまでに露骨なのです。

 この特集でも、そうしたセレブの西海岸的カジュアルがゴリゴリに推されておりまして、さまざまなセレブのオフショット(隠し撮り!?)を範にしつつ、外国人モデルがキメキメでページを埋め尽くしているのです。どこを切り出しても、とにかく爽やかでワイルド。ヌケ感もバッチリ。素晴らしくブレておりません。

 特集冒頭のリード文に目を向けてみましょう。

 『男の経験値、趣味、嗜好、どんなライフスタイルを送っているかは、得てして見た目に表れるもの。勘の鋭い世の女性たちも、見た目からその人の内面やステイタスを測っていたりするもんです』

 ふむふむ、なるほど。確かにそういう側面はあるでしょう。

 『だからこそ、大人は絶対に日焼けしていたほうがいい』

  なぜ? しかも「絶対」とまで言い切ってしまっています。

 『もちろん精悍で男らしく見える、という見た目のメリットもある。しかし、それと同時に、日焼けしているということは、スポーツやバカンスを楽しむ余裕があるという証でもあるでしょ!?』

 そういうものでしょうか。チャラい遊び人に見られてしまうという危惧はないでしょうか? かつて『人は見た目が9割』なる本がヒットしましたが、Safariの場合は「人は日焼けが9割」とでもおっしゃりたいのでしょうか。日焼けセルフブランディング!?

 『逆に、いい年した大人が青白い肌だと、何だか頼りがいがなさそうに見えてしまうと思いません?』

 個人的には、日焼けに邁進して魚の干物みたいになった細身紳士や、焼豚のようになったポッチャリ紳士の芳しい感じのほうが、はるかに微妙です。かつて『Fine(若者向けサーファーファッション誌)』を愛読し、そのメンタリティのまま大人になって小金を持ってしまったようなコジらせ感も、そこはかとなく感じます。ちなみにFineもSafariも同じ版元です。

 このリードに特集のスタンスが集約されているので、それに共感できるかどうかが分水嶺になるのではないかと思います。ここでムズムズきてしまったアナタは、以降のページでずっと収まりの悪さを覚え続けること請け合いです。

●「イケメンなハリウッドセレブだから似合う」という、そもそも論

 ページを繰りますと、まずは『どのセレブも白肌と日焼け肌では印象が大違い!? やっぱりブロンズ肌は男の魅力をアゲる!』というコーナーで口火を切ります。スコット・ディシック(起業家)やジェイソン・ブレア(俳優)といったイケメンセレブの白肌(通常時の肌)時代と日焼け肌時代を写真で対比して『日焼け肌の“ブロンズマジック”』と礼賛。さらに『“白”が映える!』『海が似合う!』『“派手色”も似合う』『“肌魅せ”がキマる!』『頼れる男に見える!』とブロンズ肌の魅力を高らかに謳い上げるのです。
 
 ここで、そもそも論。ハリウッドセレブたちを参考に、白肌と日焼け肌を比較したところで、彼らはもともとイケメンです。そういう素地の良さがブロンズ肌でより映えていると見るのが、正しいような気がしてならないのです。

 さらに彼らは身体も鍛えまくって、素敵な上腕二頭筋やら鋭利に割れた腹筋を備えているワケですよ。「いいねぇ。俺が日焼け肌になったら、このくらいイケてる感じになるのか」なんて妄想を膨らませたところで、干物や焼豚にしかならない可能性があるのも、これまたシビアな現実なのです。

 以降のページでも『単に肌を見せるだけではオンナ心には刺さらない!? ブロンズ肌“魅せ”テクでとびきりの夏オトコに!』『海で最高にセクシーな男になるためには 焼けた素肌に“ピンクゴールド”!』『ブロンズ肌セレブも夏には愛用! こんがり日焼け肌に大人の“麦わら帽”!』などなど、日焼け肌をフィーチャーしたコーナーが果てしなく続いてまいります。