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ネット通販、スーパーやコンビニ上回り、市場規模1位~追う流通各社の課題、CtoC元年

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通販サイト「amazon.co.jp」より
 インターネット通販はスマートフォン(スマホ)の普及を追い風に、流通業界地図を塗り替える勢いで成長を続けているが、2013年度の市場規模は、スーパーマーケットやコンビニ、百貨店を大きく上回る見通しであることが判明した。

 IT分野の市場調査会社、MM総研の推定によると、13年度(13年4月~14年3月)のネット通販市場(個人ユーザーが関与するBtoC=企業対消費者取引、およびCtoC=消費者間で行われる取引の合計)は前年度比12%増の15.9兆円。国内消費全体の5.6%を占める。一般医薬品のネット販売の解禁などもあり、15年度には20.1兆円に拡大するとみている。

 ネット通販が取り扱う商品は、家電や衣料、日用品からマンション、自動車まで広がり、スマホの普及で取引がより手軽になった。外出中に商品やサービスを検索し、購入するケースも増えている。こうしたスマホ利用は2.6兆円で、ネット通販全体の16.3%を占める。

 一方、13年(暦年)の全国におけるスーパーの売上高は12兆7224億円(全店ベース)、コンビニエンスストアは同9兆3860億円、全国百貨店は同6兆2171億円となり、2ケタ成長を続けるネット通販に大きく引き離された。

アマゾン楽天はともに国内流通規模1兆円に

 牽引役は、自社で仕入れる直販型が主体のアマゾンだ。10年11月の送料無料化を機に利用者が急増し、アマゾンの日本における売上高は、10年が50.25億ドル、11年が65.76億ドル、12年は78億ドルと2ケタの増収を続けてきた。

 運営会社である米アマゾン・ドット・コムが米証券取引委員会に提出した年次報告書によると、13年12月期の日本の売上高は76億3900万ドル。前期比2.1%減と一転して減収となったが、大幅な円安により、ドル建ての売り上げが目減りしたためとみられる。円ベースの売上高は開示されていないが、年平均の為替レート(1ドル97円)で換算すると、7400億円程度となる。12年は同6200億円規模であり、円ベースでは前期比で20%増えたことになる。この数字は、日本のネット通販市場全体の伸び率(13年度推計で12%)を大きく上回る。

 米アマゾンが公開した日本での実績は、直販売り上げやモール事業などによる手数料収入など、アマゾンジャパンとしての売上高とみられており、アマゾンに出店・出品する企業の売上高を含んだアマゾン全体としての国内流通総額は1兆円を超えている模様だ。

 このアマゾンを、国内2番手でモール型の楽天が追う。楽天の13年12月期の連結決算(国際会計基準)における売上高は、前期比29.5%増の5185億円。営業利益は902億円で80.3%増え、過去最高を更新した。仮想商店街「楽天市場」を中心に、ネット通販事業が拡大した。「楽天市場」などの電子商取引(EC)の国内流通総額は2割増の1兆7335億円と、これも過去最高。保有するプロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの日本一セールなど大規模なセールの効果もあり、10~12月期には新規購買者が前年同期比で5割増えた。

 ネット通販市場は新規参入が相次ぎ、百花繚乱の様相を呈してはいるが、流通総額が1兆円を超えるアマゾンと楽天の2強の寡占化が進んでいる。