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鮫肌文殊と山名宏和、と林賢一の「だから直接聞いてみた」 for ビジネス

さすがAmazon! 毎度配送業者が変わる謎と答え

文=酒平民 林賢一
post_361.jpgAmazonより

人気放送作家の鮫肌文殊氏と山名宏和氏が、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問を直撃解決!する連載「だから直接聞いてみた」。月刊誌「サイゾー」で連載されていた同企画(宝島社より単行本となって発売中!)が、ビジネスジャーナルにて復活!   

 今週は、林賢一氏が、Amazon配達の謎について聞いてみた。

[回答者]Amazonカスタマーサービス様

 Amazonからの荷物が毎日届く生活が続いている。

 ほとんどの買い物が書籍やDVDなのだが、気になった物はその瞬間にクリックして買うため、どうしても配送が分割されて小刻みに届くのだ。

 午前中に配達人がインターホンを鳴らす。午前中は家で仕事をしていることが多いので、たいていは商品を受け取ることができる。寝間着のまま玄関を開け、配達人の方から荷物を受け取る。

「このだらしない大人は毎朝家にいるけど、何をしているのだろうか?」

と配達人は不思議に思っているに違いない。

 こんなところでお礼を言うのもなんだが、クロネコヤマトの小林さん(仮名)、いつもいつもありがとうございます。

 毎日、朝顔を合わせてているということは、ちょっとした友人よりも頻繁に会っているわけで、親近感が湧いている。インターホンが鳴っただけで「あ、今日も小林さんがやってきた」と胸が躍る。なぜなら小林さんの笑顔はモデルのように爽やかで、その顔を見ると「今日一日頑張ろう」というベタな気持ちがベタでなくなってしまうのだ。40過ぎのおじさんの顔でこんなにも癒やされるとは!

 そんな小林さんとの蜜月が一カ月ほど続いたある朝、インターホンが鳴り、いつものように”小林さん受け入れ態勢”を整えてからドアを開けると……

「エコ配でーす」

 小林さんじゃない!

 西村さん(仮名)だった。小林さんのような爽やかな笑顔ではなく、そこにあったのは真顔だった。寂しかった。小林さんに会いたい。あの笑顔を見ないと一日が始まらない。センチメンタルな気分のまま、エコ配の西村さんから荷物を受け取る。

 今後は、この無表情の西村さんと毎日顔を合わせるのだろうか? もう小林さんの笑顔を見ることはできないのだろうか?

 そして翌日、再びインターホンが鳴る。連続で西村さんなのか!? それとも小林さんの復活なるか!? ドアを開けると……

「日本郵便でーす」

 小林さんでもなく、西村さんでもなく、鬼瓦さん(仮名)だった。

 わたしがAmazonで注文しているのは書籍とDVDだ。大きな荷物ではない。それなのに3日連続で配送会社が変わるとは、どういうことなのか。個人的には小林さんに運んでほしい。クロネコヤマトで統一してほしい。しかし、そんな個人的な要望をAmazonに出すわけにはいかない。しかし、配送会社の変更については聞かせていただきたい。

 そこで【Amazonカスタマーサービス】に直接聞いてみた。

「商品によって配送会社が違うのはなぜですか?」

担当者 はい、私どものところでは、一つではなく複数の配送業者を使って、できるだけ早くお客さまにお届けするように手配をさせていただいています。実は、商品によって違うわけではなく、お急ぎ便やお届日時指定便であれば、承れる配送業者さまが限られます。そういった事情で、お客さまにお届けするたびに変わってしまう状況でございます。

──商品の種類や、在庫によって、もしくは商品の大きさによって配送会社を変えているわけではないんですか?

担当者 そうですね、商品の大きさにもよって、承れるところと、承れないところがございますので、そちらによっても関係している部分もあります。

──ちなみに、何社くらいの配送業者と提携しているんですか?

担当者 一部の地域しか配送していないところもございますので、全ての業者についてご案内させていただくことはできかねます。お客さまにどの配送業者にと限定させていただくことはできませんので。

──複数の配送業者と提携することで、早く届くのですか?

担当者 左様でございますね。一社に頼むよりも、その時の状況で配送業者も、忙しかったり混み合っている状況がございますので、その時は他社に依頼をさせていただくという対応ができるように、幅広い配送業者に依頼の口を開いている状況でございます。

 さすがAmazon。納得である。

 「クロネコヤマトの小林さんでお願いしたい」といった要望は受け入れてもらえないことも分かり、少し寂しい。が、仕方ない。

 嘘のような話だが、この原稿を書いている時、インターホンが鳴った。

 ドアを開けてみると、そこに立っていたのはクロネコヤマトの小林さんだった。

 また会えた。

 ポケットに入っていた飴を「ご苦労さまです」と渡そうとしたら、あっさり断られた。いきなりポケットから出された食べ物を受け取るほど、わたしたちの信頼関係は構築されていなかったのだ……。
(文=酒平民 林賢一)

林 賢一

林 賢一

1979年、五反田生まれ。脚本、構成。学生時代から古舘プロジェクトで修業。参加作品は、『トーキングフルーツ』(フジテレビ・火曜深夜24時25分~)、ドラマ『恋とか愛とか(仮)』(広島ホームテレビ・木曜深夜24時15分~)、舞台『古舘伊知郎トーキングブルース2014』、アニメ『脇役目線』(WOWOW)など。映画監督・入江悠と仲間たちによる映画メルマガ【僕らのモテるための映画聖典】で「映画のカット数を数える」という無謀な企画を連載中。

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