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山田修「戦略的ビジネス論」(5月11日)

ユニクロ柳井正の農耕民族経営 同じことの繰り返し&精緻化で同一事業領域を深掘り

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ユニクロの店舗(「Wikipedia」より/Tokumeigakarinoaoshima)
(文=山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役)

 ユニクロなどを展開するファーストリテイリング社長の柳井正氏と、ソフトバンク社長の孫正義氏は、実質的な創業社長として現在日本における2大名経営者だと思います。

 ビジネス拡大の手腕については、ともに稀有というべき実績を残してきた2人ですが、その経営手法やスタイルには大きな差異が見られます。

 差異の筆頭ともいえるのが、「ビジネス・ドメイン」との関わり方でしょう。「ビジネス・ドメイン」とは「事業領域」と訳されています。

●柳井氏は同一ドメインの深掘り

 柳井氏の場合は、地方都市の一洋品店であった小郡(おごおり)商事の2代目を継いだ時から現在に至るまで、ほぼ一貫して繊維産業とその流通業のカテゴリーの中で業容を拡大してきました。途中、野菜の小売りなど、私たちの目をむかせるような寄り道をしたこともありますが、たちまち撤退し、本業に回帰しています。

 『本当に使える戦略の立て方 5つのステップ』(山田修/ぱる出版)
 ファストリがグループとして傘下に入れている企業やブランドは次のようにすでに10以上ありますが、いずれも衣料業、あるいはその流通業といえます。

・CANDISH(キャンディッシュ):靴全般の小売店ならびに婦人靴ブランド
・GU(ジーユー):ファミリー向けカジュアル衣料ブランド
・セオリー:アメリカ発の総合ファッションブランド(09年7月に完全子会社化
・株式会社キャビン:婦人服専門店チェーン(07年12月完全子会社化、10年9月にリンク・セオリー・ジャパンに吸収合併)
・ZAZIE(ザジ)
・Real Riche(リアルリッシュ)
・e.a.p.(イーエーピー)
・enracine(アンラシーネ)
・we-nge

 近年、ファストリはミーナという商業施設を展開し始めましたが、これも衣料流通業の延長線上ということで、「ドメイン・ジャンプ」を試みているわけではありません。柳井氏は衣料を核としたM&Aには引き続き意欲的で、14年3月にはアメリカの衣料大手Jクルー社をめぐる50億ドル規模での買収交渉があったと報道されました。ただしその後、合意に至らなかったとも報道されました。

 柳井氏は、20年に売上高を現在の5倍に当たる5兆円にする目標を掲げているわけですが、それが実現するとなると、その時は海外での売り上げが大半を占めていなければ不可能だと筆者は考えています。