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カジノ誘致、なぜ本命・お台場が劣勢に?有力3候補地めぐり企業と自治体の動き活発化

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東京・お台場(「Thinkstock」より)
 カジノ建設候補地の大本命とみられていた東京・お台場だが、ここへきて誘致に向けた雲行きが怪しくなってきた。統合型リゾート(IR)導入の先頭に立っていた猪瀬直樹・前東京都知事から都政を引き継いだ舛添要一知事が、カジノ誘致に関心が薄いことが影響している。石原慎太郎・元都知事と猪瀬氏の時代に練り上げ、推進されてきたお台場カジノ構想に対し、舛添知事は消極的な発言を繰り返し、推進派の民間企業は当惑している。

 舛添知事は6月6日の記者会見で都のカジノ構想について「私にとって優先課題ではない。カジノをやらないと経済がよくならないとは思わない」と言い切った。東京五輪までに会場建設とインフラ整備で、やらなければならないことは山積している。優先順位としては東京五輪が上であり、カジノ開業を東京五輪に間に合わせる必要はないと舛添知事は考えている。

 現在、全国の建築現場は材料費・人件費の高騰や人手不足で四苦八苦している。そうした中で本格的なカジノを建設するとなると、ますます建築費が高騰するのは目に見えている。そもそも東京は日本で最も経済力がある自治体であり、カジノの収益に頼る必要はない。こうした舛添知事の消極的な姿勢により、政府が東京をカジノ整備地に指定する可能性は低くなったとの見方が広がっている。

 では、どこにカジノを開設するのか。7月26日付日本経済新聞は、次のように大阪や沖縄など3カ所が有力な候補と報じた。

「政府関係者によれば、カジノ誘致に関心を示している約20の自治体のうち候補地を3カ所前後に絞る方針だ。臨海部の人工島『夢洲』を候補地とする大阪市や国際観光拠点を目指す沖縄県のほか、海外から豪華客船が入港する横浜市も4月に検討会を立ち上げ、有力な候補と目されている」

 これまではお台場に加え、官民一体のカジノ誘致活動で先行していた長崎県佐世保市のハウステンボスが有力とみられてきたが、これらに代わって急浮上してきたのが横浜市だ。ちなみに沖縄は、米軍基地集中の見返りとしての経済振興策の意味から有力候補地だった。もし沖縄が候補地になれば。同じ九州ブロックの佐世保市のハウステンボスは自動的に選から漏れる。

●有力候補地をめぐり交差する思惑


 そんな中、有力候補地として浮上した3候補地をめぐり、自治体と企業の動きも活発化してきた。

 候補地選定をめぐる情報が錯綜する中、お台場が候補から外れそうになってきたことで、早くもそれを見越した動きが出てきた。

 例えば京浜急行電鉄は、カジノ運営への参入を目指すと明らかにした。国会で審議中の「カジノ設置の推進法」が成立した場合、横浜市の山下埠頭や自社のホテルがあるお台場にカジノやホテル、国際会議場などを備えたIRを建設するという。京急にとってお台場はあくまで当て馬にすぎず、京急グループの有力な地盤である横浜市を想定しているとみられている。京急電鉄は国際線が拡充している羽田空港に直接乗り入れているのに加え、横浜市で京急百貨店や不動産事業を手掛けており、横浜にカジノができれば相乗効果が期待できる。今後、不動産会社や商社などと企業連合をつくり、20年までに開業を目指す。総事業費は6000億円程度とみており、パートナーとなる各社で分担する考えだ。