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攻めるヨドバシ、総合小売業目指し巨額投資の成算 ネット通販拡大、旗艦店建て替え…

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ヨドバシカメラの店舗(「Wikipedia」より/Kisi)
 家電量販店ヨドバシカメラは、年内にも鮮魚のインターネット販売に乗り出す。ネット通販サイト「ヨドバシ・ドット・コム」で今年6月からすでに生鮮野菜を販売しているが、食料品の取り扱い品目を大幅に拡充する。現在、同社がネット販売している野菜は、茨城県の農業生産法人が農薬や化学肥料を使わない有機農法で育てた葉物野菜のセット。野菜に加えて、鮮魚や肉、卵など約20の生産者が扱う50種類ほどの生鮮食品の販売を始める。

「名実ともに総合ネット通販を目指す」と宣言するヨドバシの藤沢和則副社長は、創業者・藤沢昭和社長の息子であり、小売業界の他の2代目経営者と同じようにリアル店舗とネット通販の統合に軸足を置く。家電専門店にとどまらず、書籍や工具、飲料、日用雑貨などさまざまな商材をネット上で扱う“総合小売業”へと脱皮を図る。家電量販店に決定的に欠けていた商材が、スーパーの主力商品である「肉・魚・野菜」の生鮮3品である。そこで、ヨドバシでは野菜に続き、肉・魚のネットでの実験販売を始めることにした。アパレルチェーンのユニクロを展開するファーストリテイリングが有機野菜の販売を手掛け失敗するなど、生鮮品の販売は難しいビジネスともいわれる中、ヨドバシの取り組みは成功するのか、注目が集まっている。

 ヨドバシのネット通販は取扱品目数がすでに300万アイテムに達し、14年3月期の販売額は600億円、全社売上高(6906億円)の1割近くを占める。今期は1000億円を視野に入れており、早期に2000億円に引き上げる目標を掲げる。

 ヨドバシがネット通販の武器にしているのが、大型家電も含めた「即日配送」だ。11年から首都圏の一部で始めたが、現在は関東・関西のほか名古屋市、札幌市、福岡市の主要都市をカバーするまでになった。配送強化の核になるのが物流インフラだ。川崎市にある物流センターを拡大し、100億円を投じて、施設の延べ床面積を現在の5倍程度となる24万平方メートルに広げる。保管可能な品物の量は10倍程度になる見通しだ。

●リアル店舗へも積極的に投資


 また、ネット通販事業と並行してリアル店舗の設備投資にも積極的だ。東京五輪が開催される20年をめどに、新宿駅西口に国内最大級の家電量販店を開業する。ヨドバシの本拠地である新宿西口本店は合計で2万平方メートルの売り場面積を持ち、年間売上高は1000億円程度とみられている。

 新宿西口本店は店名こそ1つだが、10カ所以上に分散している蛸足店舗だ。マルチメディアAkiba(東京・千代田区、売り場面積3万3000平方メートル)や家電量販店としては世界で最大の売上高を誇るマルチメディア梅田(大阪市北区、売り場面積5万平方メートル)のように1つのビルで買い物することができず、客にとっては不便だ。そこで、ビルをスクラップ・アンド・ビルドして再開発ビル2棟に集約する。10年7月に取得したMY新宿第2ビルを取り壊し、跡地に20階建ての高層店舗を17年までに開業する予定。開業後、新宿西口本店を近隣の複数ビルも含め20階建ての大型ビルに建て替え、こちらは20年に開業する。