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ソニー、なぜ存亡の危機に?失敗繰り返される構造改革と、楽観的な収益重視路線の行方

文=片山修/経済ジャーナリスト・経営評論家
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 しかし、その「経営責任」が、今のところ果たされたことはない。結果、終わりのない構造改革が続くことになる。果てもない構造改革が続けば、組織は疲弊し、社員のモチベーションは低下する。そうなれば、反転攻勢はおろか“死の谷”は越せない。同社はなぜ、同じような失敗を何度となく繰り返すのか。

●激変する世界のスマホ市場

「中国系メーカーの躍進など、外部環境が予想外に厳しく、普及モデルを中心に台数見通しを引き下げた」

 平井氏は、業績悪化の最大の原因についてスマートフォン(スマホ)の販売不振をあげた。同氏は12年に社長に就任すると、エレキ事業の黒字化を公約に掲げてテレビ事業を分社化し、ゲーム、デジタルイメージングとスマホを三大中核事業と位置づけた。つまり、同社の看板事業ながら10年間赤字を垂れ流し続けるテレビを中核事業からはずしたのだ。平井氏の英断といっていい。

 問題は、その後である。平井氏は、テレビにかわる中核事業のスマホ事業について、新興国を中心に普及価格帯モデルの販売台数を伸ばし、サムスン、アップルの二強に次ぐ世界第3位のスマホメーカーを目ざした。同社の底力をもってすれば、それは必ずしも不可能ではなかっただろう。

 ところが、それからわずか2年、世界のスマホ市場は劇的に変化した。中国のスマホメーカーの急激な台頭である。サムスン、アップルの二強でさえ、いまや中国メーカーにその地位を脅かされるありさまだ。高価格帯でこそ今なお二強の強さが光るが、普及価格帯では中国メーカーの台頭が著しいのだ。
 
 現に、世界最大のスマホ市場である中国をみてみると、14年4-6月期においては、中国の小米科技(シャオミ)がサムスンを抜いて1位に躍り出たほか、聯想集団(レノボ)や華為技術(ファーウェイ)なども勢いを増している。中国メーカーの競争力は格段に向上している。中でも低価格帯のスマホは、もはや中国の独壇場だ。例えば、小米科技がこの夏に出したスマホは、1000元(1元=18.93円、14年11月16日現在)以下にもかかわらずLTE対応だ。加えて、高機能スマホ分野でも、サムスンやアップルの地位を確実に脅かしつつある。スマホの勢力地図は、激変しているのだ。

●収益重視路線、テレビ事業の二の舞いか

 にもかかわらず、スマホ事業について平井氏は依然として次のように語る。

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