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「よく効く新しい薬」は極めて危険?強烈な副作用、多数の死亡者発生のケースも

文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士
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「よく効く新しい薬」は極めて危険?強烈な副作用、多数の死亡者発生のケースもの画像1「Thinkstock」より

 みなさんのなかには、医師から「新しく開発された薬」を勧められた経験のある人もいるのではないでしょうか。

 人は好奇心が旺盛な生き物ですから、目新しいものに興味を示すものです。特に日本人は総じて、新しいもの好きです。車やスマートフォンタブレット端末、化粧品、掃除機……「新製品」と聞くと、これまでにない優れた機能を備え、より使い勝手が良くなっているのではないかと、期待を膨らませます。

 薬の場合も、「新薬」と言われると、多くの人が「いかにも効き目がよさそう」と感じられるのではないでしょうか。

「あなたの症状に、もっとよく効きそうな薬が出た」と医師に言われれば、つい「では、試してみようかな」と思ってしまいます。医師が自分のために新しい薬を見つけてきてくれた、という錯覚すら抱いてしまいがちです。

 しかし、新しいということは、それだけ臨床実績が少ない、つまり、まだその薬を飲んだ人もデータも少ないということです。したがって、すでに出ている薬以上に、何が起こるかわからない代物を体内に入れることになるのです。
 
 新薬が市場に出る前に厚生労働省の承認を受けるのですが、その承認を得るための臨床テストを受けているのは、一般的に健常成人男性です。

 インフルエンザの特効薬として登場したタミフルにしても、服用して症状が治まった人がいる一方で、部屋の中を駆け回る、家から飛び出す、窓から飛び降りるなど、異常行動を起こして思わぬ展開を招いた事例がいくつも報告されました。

 これらの異常行動とタミフルとの因果関係は明らかにはなっていませんが、もし「タミフルを飲んだ後に異常行動を起こした人が何人もいる」という情報を事前に知らされていたら、タミフルを安易に服用する人はかなり減っていたのではないでしょうか。

「インフルエンザを治す」とうたわれた薬が、このような悲劇を招くかもしれないなどということは、発売当初誰も予想しませんでした。

 ちなみに、2009年8月に新型インフルエンザが流行した際、死亡者10人のうち9人はタミフル投与者でした(同年9月3日現在)。また、だいぶ前から、タミフル耐性ウイルスも出現しています。

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

薬剤師として20年間医療の現場に身を置く中で、薬漬けの治療法に疑問を感じ、「薬を使わない薬剤師」を目指す。現在は、自らの経験と栄養学・運動生理学などの豊富な知識を生かし、感じて食べる「感食」、楽しく歩く「ハッピーウォーク」を中心に、薬に頼らない健康法を多くの人々に伝えている。『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂出版)、『薬が病気をつくる』(あさ出版)、『日本人はなぜ、「薬」を飲み過ぎるのか?』(ベストセラーズ)、『薬剤師は抗がん剤を使わない』(廣済堂出版)など著書多数。最新刊は3月23日出版の『それでも「コレステロール薬」を飲みますか?』(河出書房新社)。

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