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派遣業界の闇 派遣料の6割をピンハネ?他社より給料1500万も多い異端企業!

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アップルウォッチに表示したリツアンタイムズ
 Apple Watch(アップルウォッチ)をタイムカード代わりに使用する企業が現れた。アップルウォッチの画面をタップするだけで出勤状況を記録できる。さらに出社報告後に社長から日替わりの“激励メッセージ”が届くのだ。

 この仕組み「Ritsuan Times(リツアンタイムズ)」を開発し導入したのは、人材派遣会社のリツアンSTCだ。4月24日にアップルウォッチが発売されて以来、その利用法について多くのレポートが報告されてきたが、実用的にタイムカード代わりに使用した事例は、恐らく世界でも初めてのケースではないだろうか。

 筆者はこの世界初の事例に関心を持っただけでなく、これを開発したのが人材派遣会社であることに一層興味を持った。昨今、労働者派遣法改正に関して国会で与野党の激しい対立が起こったように、労働派遣に対する世間の評価は分かれている。雇い止めや派遣切りなど、人材派遣に対する悪いイメージも根強くある。

 このアップルウォッチをタイムカード代わりにする事例は、もしかしたら派遣労働者の勤怠管理を強化する目的があるのではないか。その真実を確かめるために、リツアンを取材した。そして、それがまったく真逆の目的であることがわかった。さらにリツアンは、人材派遣業界の悪しき常識を壊し続けている異端児であり、業界のビジネス慣習を根底からひっくり返す可能性があることがわかったのだ。

 リツアンは静岡県掛川市に本社を持つ技術系人材派遣会社(社員272名)である。近年業績を急拡大させ、トヨタ自動車や日産自動車のグループ会社、いすゞ自動車や日本電気(NEC)、ソフトバンクなど、名だたる大手企業へのエンジニア派遣を増やし、最近では国産初のジェット機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」を開発している三菱航空機でも採用が決まったという。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。東京オフィスを千代田区麹町に置き、東京を中心に、業務を拡大中である。

 今回、その東京オフィスで取材を行った。

人材派遣会社の暗部に触れ、創業を決意

 リツアン社長の野中久彰氏にお会いすると開口一番、「弊社の派遣社員と他社の派遣社員を比較すると、10年で1500万円の給料の差が出ます。弊社で働くと家を建てられますよ」と笑顔で語り始めた。世間では給料が低くて不安定というイメージのある派遣で、なぜ10年で1500万円という差が出てくるのか。そこを深掘りしてみると、派遣業界のダークな側面が見えてきた。