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ワーク・ライフ・ハピネス 第1回

ワークライフバランスのまやかし 超幸せ企業!長時間労働でも社員イキイキ、週3日出勤…

文=鈴木領一/ビジネス・コーチ、ビジネス・プロデューサー

ワークライフバランスのまやかし 超幸せ企業!長時間労働でも社員イキイキ、週3日出勤…の画像1「Thinkstock」より
 デフレ不況から抜け出す一筋の光が見えつつある。しかし大企業の好業績は聞こえてきても、中小企業全体が浮揚してくるのは、まだまだこれからという状況だろう。

 日本経済が、国内企業の99.7%を占める中小企業に支えられているのは言うまでもない。欧米から導入された“横文字”経営手法はいくつもあったが、どれもが経営に余力のある大企業に最適な手法であり、ほとんどの中小企業では使えないものばかりだった。

 その中の一つというわけではないが、欧米から導入された経営概念に「ワーク・ライフ・バランス」というものがある。簡単にいえば仕事とプライベートのバランスを取り、仕事に偏ったライフスタイルから脱していこうという趣旨である。昔から「働きすぎ」といわれる日本企業こそ導入すべきとの主張も受け入れられ、国の施策としても動き出している。しかし、これも“横文字”経営のご多分に漏れず、ほとんどの中小企業では受け入れられていないのが現実である。

 かといって、日本の中小企業が総じて元気がないかといえば、現実はまた違う。筆者もコンサルタントとして多くの中小企業と接しているが、社員はがむしゃらに働き、目はキラキラと輝いて充実感にあふれ、会社の業績も圧倒的に良いという会社に出会うことがある。そのような企業にとっては、ワーク・ライフ・バランスという概念すら必要ない。働くこと自体に喜びが満ちているのだ。長時間労働で従業員が虐げられている「ブラック企業」がある一方、従業員が長時間働いているのに充実感に満ちた職場もあるのだ。

●ワーク・ライフ・ハピネスという新しい概念

 そのような幸せな企業の姿を「ワーク・ライフ・ハピネス」という新しい概念で定義し、その代表的な企業を紹介し話題になっている本がある。その名も『実践 ワーク・ライフ・ハピネス2』(監修:藤原直哉 著者:阿部重利、榎本恵一/万来舎刊)である。2013年に第1弾の『実践 ワーク・ライフ・ハピネス』(同)が刊行されて以来、日本中の多くの中小企業経営者に支持され、好評を得て第2弾が1月31日に刊行された。

 共著者でヒューマネコンサルティング代表取締役の阿部重利氏は、ワーク・ライフ・ハピネスについて、次のように説明する。

「日本ではワーク・ライフ・バランスを制度としてとらえている経営者も多く、敷居が高く、コストも高くつくという固定概念があります。しかし現実に元気がある企業を観察してみると、コストをあまりかけることなく社員がのびのびと働き、その結果として企業の活性化につながっているケースが多かったのです。そこで私たちはワーク・ライフ・バランスを超えたワーク・ライフ・ハピネスという概念で、元気のある企業を定義しました。ハピネスを追求し、それを実現した企業を書籍や講演で全国に紹介してきました。結果、日本中の中小企業経営者に支持され、ハピネスを実現している会社には大きな注目が集まっています」

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