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北陸に異変 なぜ企業と人が殺到?

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北陸新幹線の車両(「Wikipedia」より/Rsa)
 北陸新幹線金沢-長野間が3月14日、延伸開業した。それに合わせて、楽天やロフトはいち早く北陸に進出した。

 楽天は6月2日、石川県金沢市と連携協定を、富山県の富山銀行と業務提携を結んだ。3月には北陸初の支社を金沢市に開設した。地元企業や事業主を支援する。富山銀行との業務提携では、同行の取引先でネット通販事業を新たに検討する企業や個人事業主を対象に、楽天市場への出店を提案する。北陸は海産物や漆器などの伝統工芸品で、まだ広く知られていない商品がある。通販で扱えば、もっと伸びる可能性があると考えた。

 生活雑貨店ロフトは9月18日、金沢市の繁華街・片町で建設が進む新商業施設「片町きらら」の3階に金沢店をオープンする。全国では100店目だが、金沢では初出店だ。

 日本政策投資銀行北陸支店が試算した北陸新幹線開通による経済波及効果は、石川県が124億円、富山県が88億円である。東京-金沢間は最速2時間28分で結ばれ、日帰り圏内となる。開業後は1都3県から観光・ビジネス目的の旅行客が石川で年32万人、富山で21万人増えると試算した。宿泊費や飲食費を含めた経済効果は、両県合計で212億円になる。

 北陸新幹線の開業後は、兼六園などがある加賀百万石の城下町、金沢市に観光客が殺到。予想をはるかに上回る人出で、早くも「金沢独り勝ち」の声が上がる。福井県への新幹線開通(金沢-敦賀間)は2023年の予定。福井県が新幹線の恩恵を受けるのは、まだ先となる。

製造業の進出も続々


 新幹線開通で直接的な恩恵を受けるのは観光業だが、地元自治体が期待しているのは企業の進出だ。特に製造業は雇用創出をもたらす。

 液晶大手のジャパンディスプレイは5月25日、金沢市に隣接する白山市のキリンビール北陸工場跡地で新工場の起工式を行った。投資額は1700億円で、投資金額の大半は米アップルが負担するといわれている。16年5月の稼働を目指しており、当初は月産2万5000枚の液晶パネルを製造する。将来は月産5万枚に倍増させる計画で、アップルのスマートフォンに供給する。6月の株主総会で新社長に就任した有賀修二氏は、「新幹線開業や北陸道白山インターチェンジに近い立地の良さ」を進出の理由に挙げた。

 ハンドクリームなどを製造するユースキン製薬(川崎市)は、富山市の工業団地に新工場を建設中。来春には横浜市の生産機能をすべて富山市に移す予定だ。ガイシ生産で世界一の日本ガイシは、石川県能美市で新工場を建設する。