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子会社扱いまでされ…スズキ、単独での生き残り困難か 課題山積で業界再編の火種か

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スズキ本社(「Wikipedia」より/Niba)
スズキが求めていた通り、独フォルクスワーゲン(VW)との包括契約を終了してスズキの株式が返還される結論となった。スズキが仲裁に求めていた最大の目的を達成できた。満足している」(鈴木修スズキ会長兼CEO<最高経営責任者>)

 スズキは8月30日、東京都内のホテルで緊急記者会見を開き、英国ロンドンにある国際商業会議所国際仲裁裁判所の仲裁判断で、VWが保有するスズキの全株式を買い取り、VWとの包括提携を解消すると発表した。約4年にわたったスズキとVWの提携解消問題はほぼ解決することになった。ただ、スズキがVWとの提携で目的としていた環境技術取得という課題は依然として残っており、スズキが次の業界再編に向けた火種になるとの見方も強い。

 スズキは2009年12月にVWと包括提携を結んだ。VWはスズキに19.9%出資したが「対等な関係」を強調していた。米ゼネラルモーターズ(GM)が経営不振に陥り提携を解消したスズキとしては、VWから電気自動車やハイブリッド車、低燃費技術などの環境技術などを得ることで生き残りを図る狙いだった。しかし、スズキの思惑は提携して間もなく外れることになる。

 VWはスズキに対して先進的な環境技術の開示を出し惜しむだけでなく、新興国向け小型車の開発でもVWが主導、スズキは「子会社のような扱い」を受けた。スズキがVWに対する不信感がピークに達したのは、VWが年次報告書でスズキを連結対象のように記したことだ。VWの出資比率を19.9%に抑えたのは、持分法適用会社にしないためだ。スズキはこうした扱いに反発、VWに説明を求める事態にまで発展した。

 さらにスズキが伊フィアット・グループからディーゼルエンジンの調達を決定したことにVWは激怒、VWがディーゼルエンジン供給の最終交渉権を持っていたとし、スズキの契約違反を主張した。相互に不信感が高まる中で、スズキは提携解消をVWに打診したが、VWは首を縦に振らない状態が続いた。業を煮やしたスズキは11年11月、VWに対して包括提携の解消を通知、その後、国際仲裁裁判所に仲裁を申し立てた。

 仲裁判断では、VWとスズキの包括提携の契約が11年11月の通知によって12年5月に解除されていたと認定、VWに対して保有するスズキの株式をスズキの指定する方法で処分するよう命じ、スズキの主張を認めた。ただ、ディーゼルエンジンのフィアットからの調達などでスズキにも契約違反があったとし、契約違反による損害の有無や額について引き続き仲裁で審議するとなった。