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神樹兵輔「『縮小ニッポン国』のサバイバル突破思考!」

年間報酬5千万、経費タダ…国会議員という楽園 社会常識ゼロでも世襲議員だらけのワケ

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国民はなぜ世襲議員が好きなのか?

国会議事堂(「Thinkstock」より)

 日本の国会議員717人(衆院475人・参院242人)のうち約25%、4人に1人が世襲議員です。衆議院議員だけで見ると3人に1人が世襲で、自民党に限れば実に約4割に上ります。

 ここでいう世襲議員の定義は、その議員と配偶者の3親等内に国会議員、地方議員、地方首長がいる場合ですが、日本はその割合が世界でも突出して高いといわれます。ゆえに、現在の安倍内閣のほぼ半数が世襲議員で占められるのも当然であり、驚くに値しません。

 いたずらに「世襲議員がけしからん」などと、筆者は主張したいわけではありません。世襲議員といえども、立派に選挙というフルイにかけられた「選良」なのですから。国民が一定地域における競争原理のなかで、「われらが代表」と選んだ結果だからです。民主主義がそれなりに機能しているのに、あえて文句をつけるのはイチャモンでしょう。

 ただし、世襲議員は「地盤(後援団体・支持基盤)、看板(地域での知名度)、カバン(政治資金が無税で継承できる)」の「3バン」があるからこそ、選挙に有利で再選率も高いとはよくいわれるところです。そして、有権者が「世襲」を好むからこそ世襲議員が量産されるという現状についても、よく認識しておく必要があるでしょう。

 確かに国民が根本的に世襲議員を嫌っていたとしたら、彼らはけっして当選できないわけで、 親や親族の手厚い庇護の下、苦労知らずで世の中に送り出されるボンボンを「不公平」といって有権者が嫌う風土があったら、とうてい世襲議員はこの世に存在を許されないのです。 

 しかし今では国会議員だけでなく、全国の地方議員にも2世、3世の議員が広がっていますから、日本人はとことん世襲が好きなのだということになるでしょう。

ザイアンスの法則


 地元で長年馴染みのある名前と顔に類似性のある人間に投票するというのは、心理学でいう「ザイアンスの法則」が働くからでしょう。米国の心理学者ロバート・ザイアンスは、次の3原則を掲げました。

(1)人は見知らぬ人には冷淡で批判的、攻撃的に対処する
(2)人は会えば会うほど好意をもつ(単純接触効果)
(3)人は相手の人間的側面を知ったときに好意を持つ

 地元でおなじみの名家のボンボンなら、人物の人柄なども世襲の類似性でなんとなくイメージでき、長年の一族の知名度があれば、安心感も手伝うゆえんです。つまり、馴染みのないポッと出てきた知らない候補者には票は入れたくない、という心理が働くわけです。テレビでおなじみのタレント候補が強いのも、この原理に支配されるためでしょう。