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ソフトバンクとホンダ、知られざる「本当のスゴさ」

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Pepper(「Wikipedia」より/Tokumeigakarinoaoshima)
 PepperASIMOの違いは何か――。この問いに、果たしてあなたはどのくらいの違いをリストアップできるだろうか。1分間で10個以上の違いを挙げられたとしたら、あなたは日ごろの情報収集力に自信を持っていいと思う。3つくらいで行き詰まってしまった人は、なぜ行き詰まったのか、理由を分析してみよう。

 さらに、もうひとつ質問したい。「歩行アシスト」と「歩行練習アシスト」の違いは何か――。

PepperとASIMOの違い

 まず、PepperとASIMOについてみていこう。いずれもロボットであることに違いはないが、両者にはいくつかの相違点がある。Pepperはソフトバンクという通信会社が発売したもので、ASIMOは本田技研工業(ホンダ)という自動車会社が開発したものだ。ASIMOは長年にわたって2足歩行という難しい技術にチャレンジしてきた。それに対して、Pepperは2足歩行を当初からあきらめている。

 ホンダは自動車会社であるから、その得意分野はメカトロニクスであろう。ロボット研究、特にヒト型ロボットを得意とする日本においては、人間のように歩くことがロボット技術の中心課題であり、それこそホンダの強みを生かせる分野でもあった。ASIMOの開発はホンダ自身で行っており、販売するとしたら、おそらく生産も自社工場となろう。

 一方、ソフトバンクは通信会社で、ロボットとは無縁のようにみえる。その通信会社がPepperを、それも20万円を切る価格で本体を販売し始めたことに誰もが驚いたであろう。発表によると、フランスのロボット会社を買収して開発し、生産は台湾の鴻海精密工業で行っているという。自前主義のホンダに対して、ソフトバンクは外部の力を活用したわけだ。

 Pepperの特徴は、人とのコミュニケーションにある。そこには音声認識、構文解析、音声合成など、通信業界で長年にわたって蓄積されてきた技術が詰まっている。それに今回、「感情エンジン」なるものを導入した。その基本になっているのが、東京大学大学院医学系研究科特任講師の光吉俊二氏が体系化した「感情マップ」理論だ。いわば、Pepperに感情という魂を吹き込んだのだ。

 そのPepperは、タブレットを胸に掲げ、人間とネットワークをつなぐ。そのアプリ開発も公開するなど、Pepperは通信会社の得意分野を生かしたロボットといえる。