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新国立競技場建設、大成建設に内定か

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大成建設本社が入居する新宿センタービル(「Wikipedia」より/0607crp)
 2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場(東京)の建設計画見直しは、安倍晋三首相の鶴の一声で決まった。総工費は1550億円と、当初計画から970億円削減された。文部科学省所管の独立行政法人で整備計画の主体となる日本スポーツ振興センター(JSC)が実施した設計と施工を一括して担う公募型プロポーザル(入札)に、大手ゼネコンの2チームが名乗りを上げた。

 旧計画でスタンド工区を1570億円で受注していた大成建設は、単体で再入札に臨み、建築家・隈研吾氏、大手設計事務所・梓設計とチームを組んだ。旧計画にもとづき、すでに作業員や資材の手配が進んでいるため、いち早く参加を表明していた。

 さらに旧計画で屋根工区を950億円で受注していた竹中工務店は清水建設、大林組との共同企業体(JV)として応札した。竹中はスタジアム全体を覆うキールアーチを含む屋根を建設する体制を整えていたが、スタンド工事の準備はしていなかった。このため過去にシドニー五輪のスタジアムを建設した経験のある大林組や清水建設と共同事業体(JV)を組む。建築家の伊東豊雄氏、大手設計事務所の日本設計と連携する。

大成の本気


「大成で決まり」

 ゼネコン首脳の間からは、こんな声があがる。大成は旧国立競技場を建設した実績があり、村田誉之社長はインタビューで「絶対にやりたい」と語っている。前のめりの発言に、情報管理に神経過敏になっているJSCから「公正な競争を阻害する恐れがある」と釘を刺されたほどだ。

 ここ数年、他のゼネコンが赤字覚悟で都心の大型工事を受注するなか、大成は利益率を重視して受注を選別し、財務体質を改善してきた。その結果、大成の15年3月期の営業利益は704億円。清水建設の500億円、大林組の483億円、竹中の277億円(14年12月期決算)、鹿島の126億円を大きく上回った。

「そろそろうちも、ランドマークとなる建物が欲しい」(大成関係者)

 大成は23年の創業150周年を控え、今年度から長期経営戦略「TAISEI VISION 2020」の第3段階に突入した。その柱となるのは国家プロジェクトへの参画。新国立競技場とリニア新幹線の南アルプストンネル工事がターゲットであることは間違いない。

 新国立競技場を受注できなかったら、手配が進んでいる下請けの作業員や資材が宙に浮いてしまうという事情もある。大成はすでに工事に向けて発車している。受注ができなければ業績に痛打を与える。新国立競技場は総工費の上限が引き下げられ、採算は厳しい。それでも大成にとって新国立競技場は受注必達案件なのだ。