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日産を悩ます仏政府の「経営介入問題」と「不平等条約」 生産を自国内へ強引に誘導か

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日産自動車本社(「Wikipedia」より/Wiiii)
 日産自動車と仏ルノーが資本関係の見直しに向けて検討を開始したことが、明らかになった。「不平等条約」によって、長年にわたり「子供の仕送りで親を支えてきた」構図が大きく様変わりする可能性がある。ただ、本来の対等な関係を構築するためには、日産とルノー両社のトップを務めるカルロス・ゴーンCEO(最高経営責任者)が自身の進退を含めて大きな決断を下せるかにかかっている。

「自動車メーカー同士の資本提携では最大の成功を収めている唯一のアライアンス」――。

 日産とルノー両社のCEOを兼務するゴーン氏が成功を豪語する日産とルノーが結びついたのは1999年に遡る。当時の日産は、長年にわたる新車販売の低迷や、過剰な設備投資によって多額の有利子負債を抱え、「倒産の危機」に陥っていた。そこに支援の手を差し伸べたのが、欧州での販売台数を伸ばして業績が安定していたルノーだった。

 当時、ダイムラー・ベンツがクライスラーと合併するなど、業界再編が加速、グループの年間新車販売台数が400万台以上なければ生き残れないといわれ、合従連衡が繰り広げられていた。単独での生き残りに危機感を持ったルノーは、企業規模では上だが、業績不振で危機に瀕していた日産に目を付けた。

 日産はルノーと資本提携し、ルノーから送り込まれたゴーン氏による経営改革を断行、短期間での業績立て直しに成功した。当初、ルノーの日産への出資比率は36.8%で、日産のルノー株式持分はゼロだった。その後、日産の業績が改善したことから、ルノーの株式を取得、同時にルノーは日産への出資比率を引き上げた。

 現在、ルノーは日産の株式43.4%を保有する。日産もルノーの株式15%を保有するが、40%以上出資を受けている会社が持つ親会社の株式は、議決権が認められないというフランスの法律によって日産が保有する株式には議決権が付与されていない。両社は資本構成では長年にわたってルノーが「親」、日産が「子」の立場で関係を続けてきた。

 しかし、日産が北米や中国で販売を伸ばすなど、ほぼ好調な業績を続ける一方で、欧州や南米にしか基盤を持たないルノーは業績不振が続き、実質的に日産の配当頼りで黒字化したケースが少なくない。「子」である日産が「親」であるルノーを支える構図が長年続き、しかも日産はルノーに対して議決権さえ持たない。「不平等条約」といわれるゆえんだ。