NEW
神樹兵輔「『縮小ニッポン国』のサバイバル突破思考!」

欠陥マンションは今後も絶対になくならない…国交省と重要な天下り先・建設業界の癒着関係

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
横浜市都筑区マンションの現場代理人が関わった現場数(「旭化成建材 HP」より)
 横浜市のマンションが傾き、マンション施工時の「杭打ち」が強固な地盤にまで達していなかったことが発覚した「杭打ちデータ改竄事件」は、その後も大きな広がりを見せています。杭打ち工事を担当した旭化成建材は、過去10年間に行った3040件すべての杭打ち工事をチェックするとしており、現時点ですでに数十件のデータ改竄が発覚しています。そのなかには横浜のマンションとは別の人物が現場管理者を担当したものもあり、同社の企業体質が問題視されています。


 現時点では実際に杭打ち工事を行った旭化成建材に注目が集まっていますが、施工した三井住友建設には元請けとしての責任はないのでしょうか。

 三井住友建設は、「チェックが十分でない体制だった」などと言い訳に終始し、神妙に頭を垂れていますが、旭化成建材が出鱈目な杭打ち工事に走った背景には、元請けで強い立場の三井住友建設からの「工期厳守」のプレッシャーがあったのではないかというのは、すでに業界関係者の間からも指摘されています。

 横浜のマンションの杭打ちの現場では、はじめから強固な「支持層」と呼ばれる地層に届かない短い杭が、三井住友建設から提供されていたという情報も報じられています。短い杭を渡された旭化成建材の現場責任者が、三井住友建設に対し杭が支持層に届かない懸念がある旨を伝えられる空気だったのか、そして実際に届かない杭があった時、三井住友建設側へ「やり直し」の申し入れをできるような関係があったのか――。疑問を呈する指摘も数多くなされています。

 杭打ちをやり直すと1カ月近い工期の遅れが生じるといわれており、販売時期が決まっているマンション工事の立ち遅れは、旭化成建材の現場責任者にとっては許されないという重いプレッシャーがかかっていたということは想像に難くありません。

 こうしたマンション建設現場の実態についても、報道などで徐々に明らかになってきています。建設現場における「元請け」と「下請け」という力関係が、今回のような不正につながっていると窺わせたのが、この事件の教訓のひとつでしょう。

耐震偽装事件


 今から10年前の2005年、「耐震偽装事件」が社会問題化しました。規制緩和で民間でも「建築確認」が行われるようになった制度上で、一級建築士が建物の構造計算で耐震強度を偽装した事件でした。大騒ぎになり、この建築士が関与したいくつかの物件は取り壊されたり、耐震補強工事が行われたりしました。