Computexというイベントをご存知だろうか? 台北で6月3〜8日の日程で開催されているアジア地域最大のコンピュータ関連の見本市だ。台湾はAcerやASUS、GigabyteのようなPC、ビデオカードやマザーボードをつくっている企業や、PCケースなど周辺機器を扱うメーカーが多い国であり、会場でも台湾の小さなメーカーがさまざまな周辺機器を展示している。ほかにもIntel、マイクロソフトといった海外企業も参加していたり、近年はiOS、スマートフォン関連の周辺機器も増えている。1700社5000ブースが出展するIT系の最新技術に触れることができる一大イベントだ。
開催期間中は世界中から多くのバイヤーやメディア関係者が集まることでも知られており、アジアだけでなくアメリカやドイツ、最近では中東からの参加者も目立つようになった。バイヤー以外に一般の人たちも入場可能で、毎年多くの人たちが訪れる。
会場は大きく分けて世貿中心展覽大樓(ワールドトレードセンター)という台湾で最も高いビルの周辺にある展示会場と、南港展覽館と呼ばれる少し離れた地域にある、日本でいえばビッグサイトのような展示場の2つ。それぞれ地下鉄やシャトルバスで行き来することができるようになっている。ところ狭しと並べられたブースには、小物から業務用のPOSシステム、レースゲーム用のムービングチェアまで多種多様な展示が行われている。
●今年のテーマはワイヤレス?
Computexの展示物を見ていくことで、今後のPC、IT業界の今後を占うことができる。今年のテーマはずばり、「ワイヤレス」だろう。
まずiPhone、iPadが登場し、スマートフォン、タブレットが普及したことで、PCはコンシューマー市場の主役の座を明け渡しつつある。今回も多くのブースで無名のAndroidタブレットが各サイズ並んでおり、ASUSやIntelのブースでもキーボード分離型のタブレットなどが注目されているのが現状だ。
しかしスマートフォン、タブレットなどの機器に足りないのは拡張性。それを補うためにワイヤレス接続機器が増えているのだ。例えば、PCでは利用できる大容量のハードディスクなどは、タブレットでは使えない。その代替に使えそうな、無線LANを内蔵したSSDドライブなどが今回多数展示されている。さらにはモバイルバッテリーに無線LAN、SDカードリーダー、USBの拡張端子をひとつにまとめた製品もある。これらは持ち歩くことが前提で、スマートフォンとWi-Fiで接続してデータをコピーしたり、デジカメのデータを取り込んだりすることができる。