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auのiPhone 5実人口カバー率96%、実際は14%のカラクリ…改善見通しは?

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KDDI本社が所在するガーデンエアタワー(「Wikipedia」より/呉)
 KDDIのauiPhone 5ユーザーの中で「どうもLTE(携帯電話の高速通信規格)がつながらない」と思っていた人がいたならば、その感覚は当たっていたようだ。5月21日、「実人口カバー率96%」とされていたものが、実はたった14%だったということが公表された

 あまりにも数字が違うこと、今後よくなる予定も特になさそうであることが露見したことで、ネット上ではiPhone 5ユーザーが騒然としているようだ。

●問題の対象はiPhone 5のみ

 一部で誤解されているようだが、「au 4G LTE」がまったく整備されていなかった、という話ではない。あくまでもiPhone 5向け「au 4G LTE」の75Mbpsで通信できるエリアの話だ。なぜiPhone 5だけがそんな不遇な目に遭っているのかといえば、au端末の中でiPhone 5が特殊な周波数帯を使っているからだ。

 まず、iPhoneシリーズでLTEに対応したのがiPhone 5から。つまりiPhone 4Sまでのユーザーに今回の話は関係ない。そしてLTEに対応しているほかのスマートフォンが800MHz帯と1.5GHz帯を使っているのに対して、iPhone 5は2.1GHz帯を利用している。

 つまりauの端末の中で、iPhone 5が使うためのアンテナが、ほんの少ししか配置されていなかった、というのが今回の騒動なのだ。

●今後も、iPhone 5向けLTEアンテナは増えない?

 問題は、「2013年春までには整備します」といわれていたものが間に合わなかった、というのではなく、そもそもその時期に「実人口カバー率96%」を目指したアンテナ敷設を行う予定はなかったということだろう。販売の際に、「4G LTE (iPhone 5含む) 対応機種なら」カバー率96%だと表示して、いかにもiPhone 5でも高速通信が広いエリアで楽しめるように書かれていたのに騙された、と感じる人が多いのも無理はない。

 では今後急速にアンテナが取り付けられて96%を目指すのかというと、これについてはKDDIから言及されていない。多少増えるのは確かだろうが、同社がどこまで投資するのかは疑問だ。

 今後出てくるであろうiPhone 5SやiPhone 6のために、どんどんアンテナを増やすべきだと考える人もいるだろう。ただ現段階では、そこに注力するのが今後のためになるかどうか微妙なところだ。

 次世代のiPhoneについて、いろいろな噂がある。「日本で利用される800MHz帯も利用できるマルチバンド機が出るのではないか?」というような期待まじりの予測をしている人もいるようだ。もしそうなれば、次のiPhoneからは本当に96%になるわけだ。また次世代LTEではまた違った周波数帯を利用するため、将来を見据えた投資として、どう判断されるかは微妙なところだろう。ユーザーとしては“今”使えるエリアを増やしてほしいところだが、なかなか難しい部分はあるのかもしれない。

●「実人口カバー率」って何?

 もう1つ、今回出てきたキーワードでわかりづらい「実人口カバー率」についても解説しよう。少し前までは「人口カバー率」と言われていた記憶がある人も多いだろうが、これとは少し違う言葉だ。

 まず「人口カバー率」とは何かといえば、「人がいるところ」の中で通話・通信ができる場所がどれだけあるかということを示したものだ。たとえば山岳地帯や湖など、国土ではあるけれど人が住んでいない場所は、そもそも分母として計算に入れない。そして、どこを基準に測るかといえば市町村役場と支所だ。

 この計測方法は、いろいろな問題がある。仮に市内のほとんどのエリアで通話ができても、役所で通じなければ、市が丸ごと圏外ということになる。逆に広大な面積のある自治体でも、役場で通じさえすれば圏内だ。都市部ならばそれほど問題がないかもしれないが、郊外や農村部だと、かなり実態とズレが出てくる。

 もう少し実情に近そうなのが「実人口カバー率」だ。日本地図の上に500メートル区切りの方眼紙を載せて、その500メートル四方の中で通話ができるかどうかを計測する。そしてその枠の中に何人の人口があるかと併せて「実人口カバー率」というものを算出するのだ。