そんなガンダムシリーズについて、6月17日付当サイト記事『年間売り上げ802億円 ガンダム・ビジネスはいかにして成長?攻めの戦略続けた35年』では、誕生以来の歴史をビジネス的見地からひもといたが、今回はガンダム・ビジネスの今後について、ガンダムファン歴30年にして全シリーズに精通するライター、昌谷大介氏と共に考察していきたい。
●ガンダムUC最終回は映画興収ランク3位の好発進
「まず35周年の大きな目玉のひとつとなっている『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』の最終話『episode7 虹の彼方に』は、上々の滑り出しでした。5月17日にイベント上映&配信が開始されたのですが、興行通信社による5月17、18日の週末『全国映画動員ランキングトップ10』で3位を記録しました。わずか2日間で9万8208人を動員し、興収1億5718万2200円を上げたのはさすがの一言です。ロボットアニメの金字塔の名に恥じぬ結果といえるでしょう。この『episode7 虹の彼方に』は、6月6日よりブルーレイ&DVD版の一般発売も始まっていますが、同作の5話目にあたる『UC5 黒いユニコーン』は12年のオリコン年間ブルーレイディスクランキングで、12.4万枚を売り上げて総合1位を獲得していますので、『episode7 虹の彼方に』はそれ以上の結果が期待できます」(昌谷氏)
『機動戦士ガンダムUC』は、アムロ・レイとシャア・アズナブルの最終決戦を描いた劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』から3年後を描いた作品で、いわゆるファーストガンダムファンを虜にする設定や描写が多数用意されていた。
「まず、敵役として登場するフル・フロンタルという男が、いい意味であざといです。“シャアの再来”と呼ばれている彼は、シャアよろしく仮面を着け、容姿もシャアそっくりで、しかも声優はシャアと同じ池田秀一氏を起用しています。そのほかにも、ヒロインとして登場するのはシャアとの因縁があるザビ家の末裔、ミネバ・ザビですし、『episode4 重力の井戸の底で』以降は、ファーストガンダムから『逆襲のシャア』までガンダム搭乗艦の艦長を務めてきたブライト・ノアも登場します。ホワイトベースでアムロと共に闘ったカイ・シデンもジャーナリストとして時々出てきます。そして『episode7 虹の彼方に』では、“フル・フロンタルはシャア本人なのか?”という謎がとうとう明かされますし、そのフロンタルはファーストガンダムでシャアが最終決戦時に搭乗したジオングの名を引き継ぐ、ネオ・ジオングに搭乗します。旧来ファンは見逃せない展開です」(同)
●THE ORIGINはUCの展開形式を踏襲?
ファーストガンダムからのファン層を惹き付け、ビジネス的成功を収めた『機動戦士ガンダムUC』だが、それを引き継ぐようなかたちで詳細が発表されつつあるのがアニメ版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』だ。