ブリヂストン、なぜ69年ぶりの赤字転落?「タイヤ大量生産・大量販売」モデルの限界の画像1
ブリヂストンのサイトより

 ブリヂストンは2021~23年の中期事業計画を発表し、タイヤ工場など世界で165ある生産拠点を23年までに19年比で約4割減らす方針を明らかにした。生産拠点は20年4月時点で165拠点。内訳はタイヤ関連が79、原材料が16、タイヤ以外の多角化事業で70拠点だ。タイヤは汎用品の拠点を重点的に減らすほか、非タイヤでは事業の売却などを伴う拠点の削減を見込む。

 タイヤではすでに20年11月、南アフリカのポートエリザベス工場を閉鎖した。同工場で生産していた農業機械や建設・鉱山車両用バイアスタイヤの競争力が低下したためだ。乗用車のタイヤを生産する仏ベチューン工場は21年4月末に閉鎖する。20年9月に閉鎖に向けた協議に入ったが、雇用を最優先課題としている仏政府が工場を維持する代替案を示すなど反対し協議が難航していた。ようやく仏政府の承認を取り付けた。

 同工場は1961年に操業を開始し、乗用車向けのタイヤの生産能力は1日約1万7000本。約860人の従業員には再配置や再就職のための支援を行う。非タイヤ事業は自動車部品や防振ゴム、ホース、建材などだ。2021年1月、米国のグループ会社、ブリヂストン アメリカス インクの子会社で屋根材のメーカー、ファイアストン ビルディング プロダクツ カンパニー エルエルシー(FSBP社)をスイスのラファージュホルシム社に売却すると発表した。FSBP社は21年12月期の連結最終損益(国際会計基準)に2000億円の売却益を計上する。

 インドネシアの自動車用防振ゴム企業は現地の部品会社に20年5月、譲渡済み。メキシコの自動車用部品、中国上海市のウレタンなどを製造する拠点は21年2月までに生産を停止しており、年内に会社の清算手続きを完了する見込みだ。

国際会計基準への移行で減損損失が拡大

 ブリヂストンの20年12月期の連結決算(国際会計基準)は最終損益が233億円の赤字(19年同期は2401億円の黒字)。1951年以来69年ぶりの赤字に転落した。売上高にあたる売上収益は前期比15%減の2兆9945億円。新型コロナの影響を大きく受けたが、従来予想から1000億円上振れした。減損損失などの影響を除いた調整後営業利益は前期比35%減の2229億円と、従来予想から720億円改善した。

 主力のタイヤ事業の売上収益は乗用車向けが前期比15%減の1兆4558億円、調整後営業利益は33%減の1218億円。高級車や多目的スポーツ車(SUV)などに使われる高インチタイヤを含めて販売が復調した。トラック・バス向けタイヤの売上収益は18%減の6606億円、調整後営業利益は34%減の570億円。当初、トラック・バス向けがコロナ禍の影響が最も大きいと想定していたが、補修用タイヤの販売が2019年を上回る水準まで回復した。

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