
長引くコロナ禍で、さまざまな業界が変化している。緊急事態宣言の発令によって不要不急の外出を控える動きが大きくなり、レジャーを自粛するようになった人が増えたことから大きな打撃を受けた旅行・ホテル業界も、そのひとつだろう。
そんななか、ホテル業界では価格競争が激化しているという。今回、ビジネスジャーナル編集部では、ツイッターでさまざまな旅行情報を発信し、3万人以上のフォロワーを誇る「Halohalo/お得トラベラー」(@halohalo_travel)氏に、旅行業界の現状について話を聞いた。
Go Toトラベルの半値適用価格よりも、今の定価のほうがなお安い
――現在、旅行業界はどのような状況なのでしょうか?
「以前は日本の旅行業界はインバウンドでおおいに潤っていましたが、ご存じの通りそれがコロナ禍で完全にストップしてしまいましたよね。そのため国内のホテル業界や航空業界は国内需要に頼るしかない状況となり、しかしこの状況で当然お客さんは少ないですから、価格を下げるしかない。というわけで、全体的に低価格化が進んでいます。
例えば、昨年の『Go Toトラベル』キャンペーンでは、ホテル代が35%割引で、併せて配布された『地域共通クーポン』を含めて正規料金の半額程度で宿泊可能でしたが、現在はそもそもの元の価格がそれよりも安くなっています。4月に3回目の緊急事態宣言が発令されたときは、『Go Toトラベル』時と同程度になるくらいの値下げ率だったのですが、5月末に宣言が延長されたことで、さらに価格が落ちています。この流れは、特に東京のホテルで顕著ですね」
――では、東京以外の観光地でも同じような傾向はあるのでしょうか?
「東京以外だと、箱根周辺や京都も安くなっている印象です。沖縄も一時期価格低下傾向にあったのですが、沖縄観光が本格化する夏に向けて、値段は回復してきているようです。東京の場合は1泊10万円前後もするような超高級ホテルの割引が目立っていて、京都の場合は大浴場付きで1泊1〜2万円程度のホテルが半額程度で泊まれるようになっているケースがよく見られます」