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熊野古道で別世界の体験ができるホテル「SEN. RETREAT CHIKATSUYU」の魅力とは?

取材・文=武松佑季/フリーライター
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熊野古道にオープンしたホテル「SEN. RETREAT CHIKATSUYU」
熊野古道にオープンしたホテル「SEN. RETREAT CHIKATSUYU」

 ゴールデンウィーク(GW)直前の4月28日。熊野古道の主要ルート、中辺路の近露王子というポイントからほど近い国道沿いに、コンテナを客室とするホテル「SEN. RETREAT CHIKATSUYU」(セン リトリート チカツユ)がオープンした。GWには多くのファミリーやグループが訪れ、バーベキューや焚き火、石窯でのピザ焼き体験、映画鑑賞など、思い思いの時間を過ごして非日常を味わった。

 今、熊野古道では新たな価値と楽しみ方が提案されている。

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意外と日本人が知らない、熊野古道の魅力

 登録されれば、観光資源としての価値がグッと高まる「世界遺産」。しかし、その数は世界で1154件を数え、日本においても2021年、鹿児島県と沖縄県、さらに北海道・北東北の縄文遺跡群が新たに追加され、国内だけで25件におよぶ。

 希少性が薄まっている感は否めないが、世界遺産の「道」となると、フランスとスペインにある「サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路」と、和歌山県を中心として紀伊半島にまたがる「熊野古道」の2カ所しかない。

「熊野古道」とは、古代から1000年以上も使われてきた山々を巡る参詣道で、その道筋は長く、世界遺産に登録された部分だけでも347.7km(全長は約600km)になる。日本が誇るパワースポットのひとつだが、国内客よりも、むしろヨーロッパ圏の人々に人気のトレッキングスポットでもある。数年前までは外国人観光客で宿が不足するほどの賑わいで、熊野古道周辺の経済はインバウンド収入によって支えられていた。しかし、そこに新型コロナ禍が直撃。海外客は皆無となり、地域観光市場に今なお大打撃を与え続けている。

 その中で、大阪府大阪市の総合不動産デベロッパー・日本ユニストが立ち上げたのが、無人運営宿ブランド「SEN. RETREAT」だ。日本ユニストSEN事業部部長の大﨑庸平氏は、オープンの経緯を以下のように語る。

「当初は熊野古道沿いの宿不足解消のために、古道の主要ルートである中辺路(なかへち/スタート地点の滝尻王子から熊野本宮大社を経て熊野那智大社まで踏破するには4泊5日程度かかる)を転泊して歩けるように、ひとつのブランドで拠点を作っていこうと、事業をスタートさせました」

 しかし、コロナの影響で既存の宿泊施設の稼働率は激減。インバウンドに頼りきっている現状が浮き彫りになった。

「熊野古道は『歴史』『コト消費』『宗教観』などの要素が欧米の方々とマッチしていた一方で、和歌山県民でも歩いたことがない人が多いなど、日本人への訴求やマーケティングができていなかった。そこで、この『SEN. RETREAT』というブランドを通して、熊野古道の魅力を日本へ発信していこう、ということになったのです」(大﨑氏)

 最近よく聞くようになった「リトリート」とは、仕事や日常から一時的に離れ、自然豊かな場所等で疲れた心や体を癒やす体験のことだ。言うまでもなく、熊野古道は日々の喧騒を忘れられる、緑に囲まれたロケーションである。そこでのリトリート体験を通じて熊野古道を日本人にアピールするというのが、「SEN. RETREAT」がコロナ禍で掲げた新たなブランドコンセプトだった。

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