素晴らしい日本式コンビニ、なぜ世界を侵食で文化を変革?進化し続けた40年
欧米やアジアの文化を変える
日本でコンビニという業態ができて、すでに40年以上が経過し、日本人の飲食および買い物文化を変革してきました。そして今では、欧米やアジアの同文化を変えようとしています。
現在の米国セブンは、日本のセブンを傘下に収めるセブン&アイ・ホールディングス(HD)の子会社です。米国ではガソリンスタンドとの併設店舗が多く、ウォルマートなどスーパー業態との価格競争と多角化の失敗により、米国セブンは91年に経営破綻してしまいました。その後、フランチャイジーのイトーヨーカ堂傘下となり、05年にはセブン&アイHDの完全子会社となり、現在では同社米国現地法人になっています。
日本のセブンの海外進出は現在、国内約1万7000店舗に対し、米国に約8000店舗、タイに約8000店舗、韓国に約7000店舗、北欧では538店舗など計5万5000店舗近くを展開しており、世界最大のコンビニチェーン店となっております。
しかし、その大部分はマスターフランチャイジング契約を米国セブンと締結し、商標として利用しているだけで、まだ日本型経営が生かされていません。ただ、ハワイを含め米国セブン復調の原動力となった「セルフおもてなし」を導入させたことで、世界のセブンを指導する体制が整いつつあります。今後セブンプレミアムを海外でも展開する可能性もあります。
セブン以外のコンビニチェーンで海外展開に注力しているのが、ファミリーマートです。台湾に約3000店舗、中国およびタイに約1100店舗を展開するほか、ベトナム、インドネシアなどアジア地域を重視してそのネットワークを広げています。20年までには中国の店舗を8000店舗に拡大する計画を持っています。
日本式コンビニのビジネスモデルは今後、世界に広がっていくと考えられます。日本食ブームとともに、日本風おにぎりやPB食品が世界に浸透する日はそう遠くないのではないでしょうか。
(文=中沢敦/パルディア代表取締役)