2020年の取締役改選で潮田氏側取締役の一掃を図るのが狙い、と取り沙汰されている。潮田氏の復活の芽を断つために、瀬戸氏は「自身の解任を再検証」し、100日ぐらいで検証結果を公表するとしている。
ただ、潮田氏が黙って引き下がることはありえず、もうひと波乱は避けられない。瀬戸氏が権力体制を確立したら、今度は潮田氏が反旗を翻し、LIXILグループの分裂の危険が高まると見る向きが多い。
旧トステムと旧INAXの分裂に発展するのか
LXILグループは2001年、アルミサッシの旧トステムと衛生陶器の旧INAXが経営統合し、持株会社INAXトステム・ホールディングスとして発足。04年に住生活グループに社名変更。その後、システムキッチンのサンウエーブ工業、アルミサッシの新日軽、門扉の東洋エクステリアが合流、住設機器・建材の総合メーカーとなり、12年にLIXILグループとなった。
経営の主導権争いの行き着くところは、旧トステム創業家の潮田氏と、旧INAX創業家の伊奈氏の対立という図式だったとみられている。この先、対立が続けば、01年の統合前の旧トステムと旧INAXに分裂する危険性がある。それを食い止めることができるのは、CEOに復帰した瀬戸氏だけである。瀬戸氏はカバナンス力を問われる正念場を迎えた。
(文=編集部)
【LIXILグループ新取締役】
○瀬戸欣哉 取締役代表執行役社長兼CEO
大坪一彦 取締役代表執行役副社長営業・国内子会社担当
○吉田聡 取締役執行役専務LHT Japan担当
○川本隆一 取締役兼監査委員会委員
○伊奈啓一郎 取締役兼指名委員会委員
松崎正年 取締役兼取締役会議長兼指名委員会委員
内堀民雄 取締役兼監査委員会委員
○鬼丸かおる 取締役兼指名委員会委員
河原春郎 取締役兼指名委員会委員兼報酬委員会委員
カート・キャンベル 取締役
○鈴木輝夫 取締役兼監査委員会委員
○西浦裕二 取締役兼指名委員会委員長兼報酬委員会委員
○濱口大輔 取締役兼報酬委員会委員長兼監査委員会委員
三浦善司 取締役兼監査委員会委員長兼報酬委員会委員
(○印は株主提案で選出された取締役/上記、敬称略)