日本は、漫画・アニメをはじめとするコンテンツ大国として世界から注目されている。ひと昔前のように、国民全体に人気のアイドルよりも、SNSの普及とともにコアで熱狂的なファンを掴む“マニアコンテンツ”が固い人気を得ている。
特に国内最大級のアニメイベント「アニメジャパン2015」は、3月20~22日の会期中に前年を約1万人上回る約12万人が来場し、海外メディアも多数取材に訪れるなど「クールジャパン」への関心の高さもうかがわせた。
株式会社パルディアのキャンペーンデータベース「キャン索」で調査したところ、コンビニエンスストアが最初にアニメをマーケティングに採用したのは2007年で、ローソンは漫画『ワンピース』(集英社)やアニメ映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』(クロックワークス、カラー)を活用してキャンペーンを成功させた。なかでも09年の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』では、作中にもローソンが登場し、店舗ではタイアップオリジナル商品が発売された。
ローソンの仕掛けは、ただのタイアップだけではない。たとえば、10年に「ローソン箱根仙石原店」を、丸ごとヱヴァンゲリヲンの作品に登場する「ローソン第3新東京市店」へと変貌させた。同店には、あまりにも人が殺到したため即中止になったが、大きな話題を集めた。また、9人の女子生徒が、廃校の危機にある音ノ木坂学院をアイドル活動によって救うという物語で大人気のプロジェクト「ラブライブ!」の聖地、神田明神にあるローソンが、「ラブライブ!」とコラボレーションしているアイス「ザクリッチ」を大量に入荷し、コアなファンを驚かすようなストーリーを構築した。
その後も漫画『けいおん!』(芳文社)、テレビアニメ『魔法少女まどか マギカ』(毎日放送)、漫画『進撃の巨人』(講談社)などと連携したキャンペーンを展開した。特にツイッターを中心としたSNSを有効活用し、ファンの間に大きな話題を起こすことに成功している。
この流れに追随するかたちで、セブン-イレブンが『進撃の巨人』『ワンピース』をローソンから奪いキャンペーンを展開している。現在も『エヴァンゲリオン』とのコラボキャンペーンを展開し、スマートフォンや等身大フィギュアなどの限定商品のほか、対象の商品を購入することでプレゼントされるフィギュアマグネット、くじ引きなどでコアなファンの話題を集めている。
また、ファミリーマートでは、人気バーチャルキャラクターの「初音ミク」を活用したプロモーションを強化している。