「イタリアンのファミリーレストランチェーン」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのが「サイゼリヤ」だろう。
同店の特徴といえば、300円以下のメニューが並ぶコストパフォーマンスの高さだ。しかし近年、“ファミレス界最強”と目されていたサイゼリヤを超える、高コスパのイタリアンチェーン「オリーブの丘」が話題になっている。いったい、どんな店なのだろうか。
300円でピザ食べ放題?驚異のコスパを体験
オリーブの丘とは、飲食大手のゼンショーグループが運営するイタリアンチェーン店。ただ、同店には公式ホームページが存在せず、2017年6月現在、店舗は都内に3店舗のみ。メニューも公開されていない。謎だらけのイタリアンファミレスなのである。そこで、11年3月に開店した初号店「オリーブの丘 保谷店」に足を運び、その実態を探った。
土曜日の夕方に入店したためか、店内は空席が目立つ。2人席に案内され、メニューを開くと「小柱とオリーブの冷製マリネ ¥180」(税別、以下同)「グリーンサラダ ¥298」「ハウスワイン(グラス) ¥100」といったリーズナブルな商品が並ぶ。
なかには、サイゼリヤのメニューと似ているものもあったが、「激安でイタリアンを提供するとなると、同じようなつくりになってしまうのかもしれない」と優しい気持ちで受け止めることにした。
さらにページをめくると「焼きたて!10種類 ピッツァ食べ放題+¥300」の文字がデカデカと書かれている。どうやら「オリーブの丘は高コスパ」といわれている最大の理由は、このピザ食べ放題にあるらしい。
喜び勇んだのもつかの間、よく見ると「お好きな生パスタ、グリル、ドリアに組み合わせてお楽しみください」との文字が申し訳なさげに記載されている。つまり、ピザ食べ放題のみのオーダーはできないということだ。激安カラオケなどにありがちな、ワンドリンク制に近いシステムのようだ。
そこで、指定されたメニューのなかで、もっとも価格が安い「ボロネーゼドリア ¥298」と「ピッツァ食べ放題 ¥300」の組み合わせを注文した。
ワンオーダー制に少しがっかりしたものの、それでも合計で598円という安さだ。ちなみに、筆者が訪れた土曜は、オープンから22時まで延々とピザを食べることができるというから、驚異のコスパであることは間違いない(店舗ごとに条件は異なる)。
同店のピザ食べ放題には、2つの方法がある。店員さんが持ってきてくれたピザを専用のお皿に盛ってもらう方法と、専用コーナーに盛られたピザを自分で取りに行くという方法だ。
卓上には「まだまだいただきます」と「少し休憩します」と書かれた両面印刷のカードがあり、カードの表裏を駆使して、ピザの提供頻度を調整できる仕組みになっている。