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三菱自関係者によると、益子社長は当初、自分の後任として中尾氏を第1候補に、相川氏を第2候補に考えていたフシがあるという。相川氏は根っからの技術屋だが、中尾氏は技術だけでなく経営にも詳しいオールラウンドプレーヤーだからだ。「中尾氏を社長に据えた場合、益子氏は経営から身を引き、全権を委任するつもりだった」(同関係者)といわれている。
結果は「益子会長兼CEO(最高経営責任者)・相川社長兼COO(最高執行責任者)」という体制になったが、この人事は前出の三菱御三家の意向で決まったとされている。CEO、COOは今回、新たに設けられたポストであり、技術屋である相川氏の経営手腕が未知数であるため、益子氏に引き続き経営の最高責任が委ねられた。
●業界再編の台風の目に
三菱自は長年、業績不振が続き、トップが次々と替わり、10年間で計6人が社長に就任した。益子社長だけが異例で9年間もった。三菱御三家は優先株という「負の遺産」を処理した後も、普通株式の33.9%を保有し、会社の重要決定に拒否権を発動できる。もちろん三菱重工が筆頭株主だ。
再生を果たした三菱自の次なる課題は、合併相手を探すことだ。自動車メ-カーとしては規模が小さく単独で生き残るのは厳しいため、三菱自は自動車再編の台風の目になる。三菱自は現在、日産自動車と軽自動車を共同開発しており、日産はOEM(相手先ブランド供給)で三菱自から軽自動車を調達しているが、今後、日産独自で軽を生産するプランが浮上している。こうしないと、日産は「国内100万台」という生産体制を維持できないからである。「三菱自の合併先は、経営が迷走している日産以外にはなさそうだ」と言い切る自動車メーカー幹部の声も聞こえる中、当分、三菱自から目が離せない状況が続く。
(文=編集部)
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