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日産、ルノーに“吸い込まれる”技術とカネ?提携から15年目の新局面と、ゴーンの去就

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日産、ルノーに“吸い込まれる”技術とカネ?提携から15年目の新局面と、ゴーンの去就の画像1日産自動車本社(「Wikipedia」より/Wiiii)
 日産自動車は4月4日、新興国向けの低価格ブランド「ダットサン」の小型セダンをロシアで今夏から販売すると発表した。ダットサンの展開はインドに次いで2カ国目となり、今後、インドネシア、南アフリカでも販売していくことになる。ダットサンが復活するのは、およそ30年ぶりだ。

 ロシアで販売する小型セダン「ダットサン on-DO(オンドー)」は、排気量1600cc、価格は40万ルーブル(約120万円)以下で、「日産」ブランドの最低価格車より5万ルーブルは安い。生産はルノー・日産グループ傘下のロシア自動車最大手、アフトワズの工場で行う。

 日産の2013年のロシアでの販売台数は前年比4.9%減の15万5000台で、同国内市場でのシェアはわずか5%である。これを今後3年間で3倍に引き上げるとしており、3倍増のアクセル役を担うのがダットサンで、ロシアで日産が販売する自動車の3分の1を、on-DOが占めるとしている。

 ロシアの自動車市場の年間販売台数は280万台程度で、近年では伸び悩んでいる。日産社長兼CEO(最高経営責任者)のカルロス・ゴーン氏は、ロシアの首都モスクワで開催されたon-DOの発表会に姿を見せた。4月にスタートした新年度最初の新車発表の場がモスクワだったのは、アフトワズのテコ入れが急務だからだ。アフトワズはon-DOの生産にあたり、トリアッティ工場に最新ラインを導入した。

 ルノーCEOのゴーン氏はロシアのプーチン大統領に直接会ってアフトワズの買収を決め、最終的にルノーが合弁会社の50.1%の株式を握るかたちになった。その後、日産も合弁会社に出資し、日産・ルノーとロシア政府系ファンドの合弁会社という新しい枠組みになり、経営の実権はルノーが握っている。しかし、アフトワズの世界販売台数はピーク時に年間60万台あったが、その後、足踏みが続いている

●注目集める、ゴーン氏の去就

 ゴーン氏は今年、ルノー社長兼CEOの任期切れを迎えるため、4月30日にフランスのパリで開かれる同社株主総会で再任されるかどうかに注目が集まっている。続投なら今後4年間、ルノー・日産のトップを務めることになるとみられている。

 1999年にルノーは当時経営危機に陥っていた日産に6430億円を出資し、ゴーン氏を派遣。現在、ルノーは日産株式の43.3%を保有している。ゴーン氏は日産のCEOとして確かに同社を甦らせたが、ルノーとの資本提携から15年目を迎えた今年4月、両社は生産、研究開発、購買、人事の4分野に共通の責任者を1人ずつ置き、部長も1人ずつにした。両社は合併も経営統合もしておらず、ゴーン氏は「ゆるやかな経営統合」と呼んでいるが、「実質的には、ルノーが一方的に日産のノウハウや資金を吸収している」(自動車業界関係者)との声も聞こえてくる。

 さらに、ゴーン氏が子会社・日産から得ている報酬は親会社・ルノーから得ているそれの約2倍であることにも批判が集まっているが、4月のルノー株主総会の行方次第では、今後の日産とルノーの関係、そして日産の経営が新たな局面を迎えることになる。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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